HOME8.温暖化・気候変動 |英エヴァンス、日本で風力発電機に参入 ゼファーと提携(各紙) |

英エヴァンス、日本で風力発電機に参入 ゼファーと提携(各紙)

2012-06-12 06:31:33

英国の小型風力発電機メーカーのエヴァンス・ウインド・タービンス(レスターシャー州)は日本の風力発電機市場に参入する。小型風力発電機のゼファー(東京・新宿、遠藤友哉社長)と提携し、地方の企業、農漁村の需要を開拓する。再生可能エネルギーでつくった電気を全量買い取る制度の7月導入で、日本でも小型風力発電機の需要が増えると判断した。


 エヴァンスは英国の小型風力発電機市場で約3割のトップシェア。主力の小型風力発電機「R9000」をゼファーにOEM(相手先ブランドによる生産)供給する。出力は5キロワット、価格は未定だが数百万円。風車の翼を動かす構造が簡素で故障が少ないのが特徴。日本のほかアジア地域でも販売、今後3年間で200~300台を見込む。




 日本の小型風力発電機は買い取り制度が未整備だったため高出力の製品開発が進まず、自家消費向けの1キロワット未満の低出力機種が主流。導入は環境意識をアピールしたい一部企業などにとどまっていた。




 小型風力は出力1キロワットあたりのコストは太陽光より高いが、風量豊かな地域では太陽光に比べて発電量に勝る小型風力が利用者にとって有利な場合もある。小型風力の買い取り価格が太陽光より高い全量買い取り制度が導入されると、敷地に余裕のある地方の企業や農村・漁村などで太陽光の代わりに高出力の小型風力を導入する機運が高まる可能性がある。




 太陽光パネル市場では中国メーカーなど外資の参入で価格、サービスで競争が活発になり普及を促した側面がある。小型風力でも買い取り制度にと海外勢の参入で市場拡大につながる見通しだ。日本小形風力発電協会(東京・台東)は小型風力発電機の設置台数は2020年度に10年度の15倍に拡大するとみる。




 ゼファーは提携で品ぞろえを拡充するほか、エヴァンスの販売網を使い海外展開を目指す。新興国の無電化地域では携帯電話基地局に小型風力発電機を導入するケースが増えている。こうした新興国需要も取り込む。