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グリーンランドの氷床表面、ほぼ全域で解ける(各紙)

2012-07-26 20:51:40

人工衛星で観測したグリーンランドの氷。白は解けていない氷、濃いピンクは解けた場所、薄いピンクは解けた可能性のある場所。ピンク色の面積の割合は、7月8日(左)の40%から、12日(右)には97%へと急拡大した=NASA提供
 各紙の報道によると、北極に近いグリーンランドの地表を覆っている氷床の表面が、この夏(7月半ばに)ほぼ全域で解けたことが明らかになった。米航空宇宙局(NASA)と米ジョージア大などの研究チームが衛星観測で確認した。これまで30年以上にわたるグリーンランドの衛星観測では例のない規模の融解とされる。溶けた氷の影響で海水が増加、海面上昇などにつながるかどうかについて、今後注意が必要としている。

人工衛星で観測したグリーンランドの氷。白は解けていない氷、濃いピンクは解けた場所、薄いピンクは解けた可能性のある場所。ピンク色の面積の割合は、7月8日(左)の40%から、12日(右)には97%へと急拡大した=NASA提供




 これまでも夏場になると、グリーンランドの氷床は表面全体の半分程度が解けるのが通例だった。今年の場合、融解面積の割合は、7月8日の段階では40%。ところが、4日後の同12日には97%と一気に拡大した。また標高3200メートルの同地の頂上付近にある氷はこれまでほとんど解けず、万年氷状態だったが、今年は1889年以来約120年ぶりで解けた。急速な氷床の融解現象の原因については、5月末から強い高気圧に覆われたことなどが影響したとみられている。