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海外で温暖化対策支援 排出枠取得視野に 三菱商事、効率高いエアコン 横河電機、製油所に制御機器 (各紙)

2012-08-16 10:47:43

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各紙の報道によると、温暖化ガスの排出枠を融通し合う「2国間クレジット」制度の導入をにらみ、日本企業が海外で省エネ支援事業を拡大する。三菱商事はベトナムで日本製の高効率エアコンの普及を推進。横河電機はインドネシアの大手石油会社に省エネ制御機器を導入する。日本の技術を生かし成長する新興国の省エネ市場を開拓、成果として得られる排出枠の活用も進める。

三菱商事はベトナム政府にエアコンの省エネ効果を示す基準の導入を働き掛け、このほど2013年に導入することで内諾を得た。「APF」と呼ぶ基準でエネルギー消費の効率性を星印の数で示す。わかりやすい性能表示の仕組みを整備し、現在はほとんど売られていない日本製の高性能エアコンの普及につなげる。


 ベトナムと日本との間で「2国間クレジット」の合意がなされれば、日本製エアコンの普及による省エネ効果を温暖化ガスの排出枠として受け取り、日本企業などに販売することを検討する。




 横河電機は13年にもインドネシアの国営石油会社プルタミナの製油所(カリマンタン島)に省エネ制御システムを導入する。ボイラーの温度などを細かく制御して原油の消費を抑制。約8億円の導入費は1年程度で回収できるという。二酸化炭素(CO2)排出量を年5万トン減らし、その分の排出枠の取得を目指す。




 小水力発電機のシーベルインターナショナル(東京・千代田)はインドで水力発電機を販売。第1弾として北部の家庭用電力向けに出力10キロワットの発電機20基を受注した。河川にそのまま設置でき大がかりな工事がいらない利点を訴え、14年末までに200基の導入を見込む。




 1基当たり年80トンのCO2を削減でき、導入に伴って得られる排出枠の販売を視野に入れる。13年にもインドでの現地生産を始め、価格を現行の約3分の1の300万円程度に下げる。




 地球環境産業技術研究機構によると世界のCO2排出量は20年に約400億トンと1990年の2倍に増える見通し。特に大きく伸びるのが中国やインドなどアジアの新興国で、中国の排出量は10年に米国を超え、30年には米国、欧州、日本の合計にほぼ並ぶ。温暖化対策の必要性も高まっており、日本勢はオフィスや工場向けに培った技術で市場の開拓を進める。