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グリーンエネルギー政策の減速必要か=独環境相(Reuters)

2012-08-31 10:07:59

アルトマイヤー独環境相
 

【ベルリン28日ロイター時事】ドイツのアルトマイヤー環境

アルトマイヤー独環境相


相は28日、再生可能エネルギー会議で、同国はグリーンエネルギーへの転換計画のペースを落とさなければならないかもしれないと言明した。原子力発電をやめて再生可能エネルギーに依存するという計画が消費者に大きな負担になる、との懸念を和らげるのを狙った発言と見られる。

 ドイツでは来年、総選挙が行われるが、メルケル首相率いる中道右派政権にとってはエネルギーコストの上昇が大きな懸念材料となっている。同政権は原発をやめて再生可能エネルギーを拡充するという野心的目標を据えている。

 市場価格を上回る水準で再生可能エネルギーを買い取る法律などを反映して、同国では太陽光パネルと風力タービンが急速に広まり、電力の約25%は再生可能エネルギー由来となっている。専門家は2020年までにこれを35%にする目標は軌道に乗っていると見ている。

 アルトマイヤー環境相は「このまま続けば、20年には再生可能エネルギー由来の電力は全体の40~45%と、目標の35%を超えるだろう」と述べた。その上で、急速な拡大はいいことだが、「ペースが速まれば速まるほどコストは高まる」と語った。同環境相は以前は、グリーンエネルギーへの転換によってドイツには過剰エネルギーができる可能性があり、これを減らさなければならなくなるだろうとしていた。

 スウェーデンのエネルギー会社バッテンファルのドイツ子会社は27日、約1500億ユーロ(14兆8000億円)の投資を必要とするエネルギー転換のために消費者は20年には今よりも最大30%多く負担しなければならない可能性がある、との見通しを示した。

 メルケル政権の一部の閣僚は、消費者の負担を軽減するための新しい法律が必要だとしている。また、メルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU)と連立を組む経済界重視の自民党(FDP)のレスラー経済相は、総選挙を前に既存の法律の大幅修正を求めている。

 アルトマイヤー環境相(CDU)は見直しは必要だとしながらも、今すぐではなく、こうした複雑な問題には時間をかけなければならないと述べた。

 

http://jp.reuters.com/article/jpENVtechnology/idJPjiji2012082900272