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トヨタが燃料電池バスから電力供給を可能に、最大3kWを出力 (Tech-On!)

2012-09-02 08:58:42

外部電源供給システムと開発中の「V2Hシステム」
外部電源供給システムと開発中の「V2Hシステム」


トヨタ自動車は、燃料電池バスが発電した電力を家電製品などに供給できる外部電源供給システムを開発したと2012年8月31日に発表した。同社が中部国際空港や東京都心~羽田空港間、豊田市内などで運行している燃料電池バス「FCHV-BUS」向けで、交流電力(AC100V、1.5kW)を出力するコンセントを2個設けた。
 



 最大出力は3kW。家電製品などで3kWを連続して利用した場合でも、100時間以上の電力を供給できるという。つまり、300kWh以上の発電量がある。これは一般家庭が1カ月にわたって使用する消費電力量に相当する。


 



 燃料電池車(FCV)は、電気自動車(EV)などに比べて大容量の電力供給が可能であり、中でも水素搭載量が大きい燃料電池バスは、災害時の避難所などでの移動電源車として活用が期待されている。実際、FCHV-BUSは1回当たり23kgの水素を充てん可能である。


 



 今回開発した外部電源供給システムを搭載したFCHV-BUSは、2012年9月2日に実施される愛知県・豊田市総合防災訓練の「非常時電源供給訓練」において、防災本部テント内の情報モニターに電力を供給する予定である。同訓練では、外部電源供給システムを搭載したプラグインハイブリッド車と合わせて約20台の情報モニターに電力を供給する。

さらにトヨタ自動車は、燃料電池バスから建物の電気配線を通じて電力を供給する「V2Hシステム」の開発も現在進めている。最大出力9.8kWで、連続約50時間の電力供給能力を目指している。この供給量は、学校体育館における照明電力の約5日分に相当するという。
 



 同システムについては、経済産業省の「次世代エネルギー・社会システム実証事業」で採択された「豊田市低炭素社会システム実証プロジェクト」の一環として、2013年度から2014年度にかけて、災害時に避難所となる施設への電力供給を想定した実証実験を実施する予定である。


http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK3103F_R30C12A8000000/