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昭和電工が、温室効果ガス分解装置を製品化(各紙)

2012-09-05 18:50:13

昭和電工が開発した温室効果ガス分解装置(同社提供)
昭和電工が開発した温室効果ガス分解装置(同社提供)


各紙の報道によると、昭和電工は、液晶パネルや半導体などを加工する際に使用される温室効果ガスの一つである「パーフルオロカーボン」の分解装置を開発した。同社は開発した新装置を年内にも発売する。新装置の販売で、2011年度実績で21億円だった排ガス処理装置事業の売り上げを15年度までに約4割増の約30億円にまで引き上げて、事業の中核の一つに育てる方針。

 パーフルオロカーボンは二酸化炭素(CO2)の約6500倍の温室効果を持つGHG6ガスの一つ。このため、同ガスを排出する際には、分解等の処理が義務づけられている。しかし、これまで分解装置はコスト高だった。同社の新型装置は安価な反応剤を使ってガスを分解することが可能。処理能力は、毎分3500リットルで、分解時に生じる副産物のフッ化カルシウムについては、人工大理石の原料として再利用できる点も魅力だ。

 従来、パーフルオコカーボンの分解で発生するフッ素を処理するには、高性能の反応剤を使ったり、専用の排水処理設備を用意するなどの高コス負担のため、企業の対応が十分に進んでいなかった。新製品の販売価格は約1億5000万円。昭和電工は、液晶パネルや半導体の生産増加によって同カーボンの発生が見込まれる中国などの海外市場を中心に販売を促進する方針だ。