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EU、中国製太陽光パネルのダンピング調査へ(Reuters)  ようやく動き出した・・

2012-09-06 17:39:29

太陽光パネルの上を歩く作業員(2012年5月18日、中国新疆ウイグル自治区アクス)
【ブリュッセル6日ロイター時事】欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は6日、中国の太陽光パネルメーカーに対するダンピング(不当廉売)調査を開始したと発表した。これによってEUと中国の間に貿易戦争が勃発する可能性もある。

太陽光パネルの上を歩く作業員(2012年5月18日、中国新疆ウイグル自治区アクス)




 ダンピング調査はドイツのパネルメーカー、ソーラーワールドを中心とするドイツ、イタリア、スペインのメーカーグループの訴えを受けたもの。同グループは中国企業は欧州で市場価値を下回る価格でパネルを販売していると主張している。

 中国のメーカーは7月、EUがダンピング調査を始めた場合、反撃するよう中国政府に要請した。同国メーカーはイングリ・グリーン・エナジー、サンテック・パワー・ホールディングズ、トリナ・ソーラー、カナディアン・ソーラー。中国企業によるEU域内での昨年のパネル・同部品販売額は約210億ユーロ(2兆0800億円)で、中国の同輸出全体の約60%を占めた。EUの昨年の中国からの総輸入額は2920億ユーロ。

 米商務省は今年5月、やはりソーラーワールドの現地法人を中心とするパネルメーカーの訴えを受けて、中国メーカーに反ダンピング税を科すことを決めている。

 欧州委員会はダンピングが行われているか、それがEU業界に打撃を与えているかなどについて調査を行う。

 西側のパネルメーカーはここ数年間、中国のメーカーは豊富な助成金を受けて安い価格でパネルを販売していると批判している。EUの企業は競争に苦闘しており、最も有名な企業ではドイツのQセルズが今年4月、破産申請をした。

 ただ、パネルを設置する企業などは、中国製品は太陽光発電をより身近なものにしており、2020年までに発電量の20%を再生可能エネルギーで賄うとのEUの目標を達成する上で不可欠だとして、中国からの輸入を歓迎すべきだとの見解だ。