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王子製紙、未利用木材でバイオマス発電 100億円投資(各紙)

2012-09-18 11:43:44

Ojiimages
各紙の報道によると、王子製紙は、約100億円を投じて、未利用の木材などを燃料にするバイオマス発電を始める。2014年度末までに専用設備を稼働させ、東京電力などへの売電を検討する。紙の価格は足元で下落傾向にあるうえ、中長期的にも国内需要の減少が見込まれる。国の再生可能エネルギー全量買い取り制度を使い、電力分野を収益源に育てる。


 発電設備は子会社の王子板紙の富士第一工場(静岡県富士市)内に建設。主に社有林などから集めた未利用の間伐材を燃やし、1時間当たり200トンの蒸気を発生させる大型ボイラーを設ける。




 蒸気で電気を起こすタービンは工場内の既存の設備を活用。発電能力は4万キロワット程度、年間の発電量は約2億8000万キロワット時とみられる。同社によると、未利用材を燃料にするバイオマスボイラーでは国内最大級の発電量になるという。




 東電などへの売電のほか、一部をグループ企業の工場に供給する。年間売り上げは40億円程度になりそうだ。同社の売電事業は13年3月期の売上高見通しが90億円(前期比5割増)規模。




 王子製紙は現在、15の工場でバイオマス発電を手がけており、本格的に未利用材を使う方式は初。従来はパルプの製造工程で出る黒液などを使っていたが、買い取り制度の下では未利用材を使うボイラーのほうが投資効率が高いと判断した。




 秋以降、地熱発電についても調査を始める。売電を含む資源・環境事業の売上高構成比を16年3月期までに今期想定より6ポイント高い10%にする計画を掲げている。複数拠点でのボイラーの導入も検討するという。




 製紙業界では、5月に日本製紙グループ本社(傘下の日本製紙)が特定規模電気事業者(PPS)となるなど電力事業の強化に動いている。