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世界の再生可能エネ投資、2012年は前年比11%の大幅減少 政府支援・補助変更等の影響顕著に 日本はFITで75 %増と急増(Bloomberg NEF) 

2013-01-15 05:32:31

世界中に広がるメガソーラー











世界中に広がるメガソーラー
世界中に広がるメガソーラー


Bloomberg NEFのまとめによると、2012年中に世界全体で手掛けられた再生可能エネルギー(クリーンエネルギー)投資の総額は、前年比11%減と大幅に下がり、2687億㌦となった。前年(2011年)は従来の推計値が修正され、初の3023億㌦だった。大幅減少は、米国や欧州の一部の国で制裁可能エネ投資への政策支援の変更があったことが大きかった。国別では中国が前年比20%増で最も多かったほか、日本と南アフリカも政策変更のプラス面が出て、急増した。 

2012年の特徴は、再生可能エネ投資に対する国の政策動向が、投資額に顕著に反映することが改めて明確になった点だ。全体の減少に影響したのは米国。年間を通じて再生可能エネ投資に対する減税措置が延長されるかどうかが不透明な状態が続いたことと、シェールガス革命によって、再生可能エネへの投資が相対的に魅力を失ったとみられたことが影響した。このほか、イタリア、スペイン、それにインドなどが、政府の政策の変更によって、伸び率が鈍化あるいはマイナスになった。また太陽光発電の価格下落や風力発電の技術的課題などが、投資意欲を減退させたところもある。

 

反対に、政府の積極的な政策の影響で伸びたのが、中国。政府の太陽光、風力発電奨励策を受けて、前年比20%増の677億㌦と過去最高額を記録した。中国の投資総額は第二位の米国を5割以上上回った。その他では、南アフリカが大規模プロジェクトの導入で、前年の数千万ドル規模から、一気に55億㌦と大きく伸びた。日本も東京電力福島第一発電所事故後に導入された再生可能エネルギー法による固定価格買い取り制度(FIT)の政策支援を受けて、前年比75%増の163億㌦と伸びた。

 

2012年の投資額は減退したものの、2004年に比べると5倍増であり、絶対額でも最高額となった2011年に次ぐ二番目に投資額の多い年でもあった。Bllomberg NEFのCEO, Micael Liebreichは「政策の不透明さや、欧州債務危機の影響、技術コスト下落の影響などを想定して、我々が予想していたよりは低下幅は小さかった」と指摘している。2012年全体の伸びは減少に転じたが、再生可能エネ投資が、これまでの欧米、中国中心から、アフリカ、中東、中南米、アジア・オセアニアなどへ広範囲に広がったのも特徴といえる。

 

分野別にみると、太陽光発電への投資が最も多く、1425億㌦(前年比9%減)、次いで風力発電783億㌦(同13%減)、エネルギー・スマート技術投資188億㌦(同7%減)などとなっている。バイオマス、ごみ燃料発電は合計で97億㌦(同27%減)、バイオ燃料45億㌦、地熱発電18億㌦などと続く。唯一、増加した分野は、小水力発電(50MW以下)で17%増の76億㌦だった。CCSへの投資は28億㌦だった。(以下略)

 

プレスレリース全体は英文版参照:http://financegreenwatch.org/?p=7939
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Ethan Zindler
Bloomberg New Energy Finance

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