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国連のGEFが 名古屋議定書実施基金を設立。日本が主導(UNDB)

2011-06-13 18:13:13

ワシントン: 国連の地球環境ファシリティ(GEF)は、地球環境問題のための世界最大の財務機関であるが、生物多様性を保護し持続可能的に使用するためにカギとなる国際協定(名古屋議定書)を、途上国が批准と実施ができるようにするため、金融面から彼らの活動を支援する新たなランドマーク的な基金を運用する。GEFの評議会は、日本政府が先駆的に拠出した10億円(約1200万㌦)と共に、基金を運営する事務局を承認した。

日本の寄付は、その他のフランスからの100万ユーロ(約1400万㌦)、ノルウェー、スイスなどからの追加拠出とともに運用される。

 新基金は、遺伝資源へのアクセスおよびその利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分に関する名古屋議定書が、ニューヨークの国連本部で署名に付されてから4か月足らずで設立された。GEFは、生物多様性条約(CBD)およびその他の国際環境協定の資金メカニズムとして、新たな基金を管理し、さらなる追加拠出を求めていく。

世界銀行は、この基金の受託者として活動する。長年にわたる交渉の末、昨年の秋に名古屋で行われた第10回目の生物多様性条約(CBD)で193の国が承認したのが名古屋議定書である。

この名古屋議定書は、全ての生物の遺伝資源の持続可能な利用から生まれる多くの利点にアクセスし、それを共有するために、各国が協力するための基本原則(Ground rules)を確立している。生物多様性条約締約国会議はまた、GEFが名古屋議定書のための資金メカニズムであることも決定した。COP10(生物多様性条約第10回締約国会議)の議長を務めた日本政府は、昨年、GEFにおいて、途上国政府が議定書を署名し、実行する両方の能力を高めるために、新しい自主的な基金を立ち上げることを提案した。

GEFのCEOであり委員長でもあるMonique Barbut女史は以下のように述べた。「我々は今回の基金の設立を、生物多様性と遺伝子資源に対して経済的、社会的価値を付け加える画期的な機会として評価する。特に、これまで本来、そうした利益を享受すべきなのに、そうなってこなかった地域や先住民コミュニティにとっては、画期的なことである。日本のリーダーシップにより、GEFは新たな基金を運営し、途上国が議定書を批准、実施することを適切に支援することができることを誇りに思う」

 新基金は、議定書を批准するために必要となる諸活動を実行できるように支援することを目的としてデザインされている。同時に、国家や地方レベルにおいて、技術支援や民間部門の参画、遺伝子資源の保全と持続可能な使用を促進するための金融プロジェクトを支援することを目的としている。

 さらに基金は、各締約国が、遺伝子資源に関した伝統的知識の使用や適切なアクセスを確保する能力を向上させることにも使われる。そうした資源は、新しい知識を活用するツールの活用を含めて、議定書への意識を高めるために使われるだろう。英語版 http://financegreenwatch.org/?p=1418