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東アジアで発生する大気汚染と日本への影響(tenki.jp) 10日、11日は「やや多め」

2013-02-09 23:50:58

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「PM2.5」という言葉をご存知でしょうか?
最近、ニュースでよく聞くこの言葉、直径が2.5μm以下(μmは1/1000mm)の微小粒子状物質のことで、人が大量に吸い込むとぜんそくや気管支炎を引き起こすと言われています。

「PM2.5」は、車の排気ガスや工場からの排煙に多く含まれますが、日本では排気ガス・焼却炉の規制などの環境対策によって、低い値になっています。
近年、経済発展が著しい中国では、この「PM2.5」の濃度が高く、深刻な大気汚染が続いています。

日本が位置する北半球の中緯度では、上空に西から東へ向けて吹く風「偏西風」が吹いています。
そのため、中国からみて下流に位置する日本にこれらの物質が飛来し影響するのではないかと心配されています。
報道によると、1月中旬から今月にかけて九州北部などで一時的に濃度が高くなり、中国からの飛来ではないかと話題にもなりました。

今回、日本気象協会の環境担当のチームで、東アジアで発生したPM2.5がどのように広がるかをシミュレーションし、明日からの濃度の傾向を予測しました。
その結果がこちらです。
赤色は濃度が濃く、青色は濃度が低いことを表しています。China1large

 

10日(日曜日)の9時
 濃度が濃いオレンジ色の帯が朝鮮半島から日本海まで伸びてきています。
西日本の日本海側では、青から緑の色の予想に変わってきました。




China2largeそして、月曜日11日の9時冬型の気圧配置になるこの日は、日本海では北西の季節風が吹いています。
日本海にあった濃度の高い部分がこの風に乗り、日本列島にやってきます。



日本列島は多くの部分が黄色と、通常よりは高い濃度となっていることが予想されます。この計算は、過去の大気汚染物質の排出量などを元に計算しており、
あくまで、中国大陸で発生した大気汚染物質が日本に飛来し、濃度が高くなる流れのイメージを表したものです。1つしかない地球、将来のためにも環境問題は世界全体が連携して考えていきたいですね。