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地上の楽園のカリブ海諸国も、気候変動の影響で主要産業に危機(AlertNet)
2011-06-18 18:38:56
By Laurie Goering: 地上の楽園と思われているカリブ海諸国も、速やかに気候変動問題への適応策を講じなければ、今後主要産業である観光と農業は衰退の一歩をたどることになると、カリブ問題の専門家が警告している。
干ばつや熱帯性嵐の悪化に加えて、海面上昇と気温上昇に伴う沿岸浸食の進行、洪水の増大などが、すでにカリブ海諸国の新たな脅威となっている。そうした脅威は、観光客の減少や、農業生産量の減少と言う形で起きていると、専門家のKenrick Leslieが指摘している。
人口と社会インフラの70%が沿岸部に集中するこの地域では、陸では主要な空港・港・発電所の水没、海では広大なサンゴ礁に被害を及ぼす。穀物生産は今世紀中ごろまでに少なくとも10%減少するとされ、人口の38%が貧困で苦しむこの地域において、これらの影響はさらなる負担を地域に強いることになる。
気候変動への適応のための費用は、英Oxford大学のMurray Simpson の試算では、2080年までにGDPの5倍を要するという。もしカリブ海地域において十分な対策を講じることができなかった場合には、経済は衰退の一歩をたどることになるとして、専門家は現在進行中の緊急事態への適応を呼び掛けている。
具体的には、たとえばジャマイカの農民は、気候変動の被害によって、厳しい干ばつや増大するハリケーンとの両方の影響で、農産物収入の減少に直面している。もっとも、皮肉なことに、天候パターンの変化は農家に天国と地獄をもたらす。低地の湿地帯では干ばつ時でも生産を続けることができ、穀物価格の高騰により高い利益を得ることができる。だが一方で、予想外の激しい降雨による洪水で農地をさらわれ生活を失う人もいる。
ジャマイカのような海抜の低い地域では、農家の力で十分な対策を講じることは難しく、国策として小規模農家に対する保険などの政策が必要、と専門家たちは指摘する。ジャマイカに関する多くの研究モデルは、将来の降雨量の減少を示しており、降雨の減少と気温上昇による穀物生産の減少に加え、海水温上昇によって漁業も影響が懸念される、とBritain’s Met Office Hadley CentreのCarol McSweeneyが指摘している。
気温上昇と降雨パターンの変化は、熱帯地域におけるデング熱やマラリアなどの病気やコレラなどの広がり、さらに熱ストレスや水関連疾患の増加の要因ともなる。また海面上昇とハケーンの増大化は低地国の脅威となるが、特に、バハマの場合は人口の88%がそうした低地域に居住しており、他のスリナムや、ギアナ、ベリーズなども同様の深刻な問題に直面している。
こうした変化への対応としては、防波堤を築くなどの対症療法に留まらず、変化に適応するために地域全体の機能を見直す必要がある。「我々は今後、特定のリスクに対して備えるのではなく、様々なリスクに対して包括的に対策を講じていかなければならない」と、英国のInternational Institute for Environment and Development所属のDavid Dodman氏は言う。
例えば対策費用として、飛行機を利用した観光客に対して単に炭素税をかけるような政策は、観光客の減少をもたらすだけだろう。貿易や炭素に関する規制は、今後我々の経済が歩む道を大きく変えていくこと
になるだろう、とDodman氏は指摘する。
http://www.trust.org/alertnet/news/caribbean-states-face-perpetual-recession-from-climate-change
干ばつや熱帯性嵐の悪化に加えて、海面上昇と気温上昇に伴う沿岸浸食の進行、洪水の増大などが、すでにカリブ海諸国の新たな脅威となっている。そうした脅威は、観光客の減少や、農業生産量の減少と言う形で起きていると、専門家のKenrick Leslieが指摘している。
人口と社会インフラの70%が沿岸部に集中するこの地域では、陸では主要な空港・港・発電所の水没、海では広大なサンゴ礁に被害を及ぼす。穀物生産は今世紀中ごろまでに少なくとも10%減少するとされ、人口の38%が貧困で苦しむこの地域において、これらの影響はさらなる負担を地域に強いることになる。
気候変動への適応のための費用は、英Oxford大学のMurray Simpson の試算では、2080年までにGDPの5倍を要するという。もしカリブ海地域において十分な対策を講じることができなかった場合には、経済は衰退の一歩をたどることになるとして、専門家は現在進行中の緊急事態への適応を呼び掛けている。
具体的には、たとえばジャマイカの農民は、気候変動の被害によって、厳しい干ばつや増大するハリケーンとの両方の影響で、農産物収入の減少に直面している。もっとも、皮肉なことに、天候パターンの変化は農家に天国と地獄をもたらす。低地の湿地帯では干ばつ時でも生産を続けることができ、穀物価格の高騰により高い利益を得ることができる。だが一方で、予想外の激しい降雨による洪水で農地をさらわれ生活を失う人もいる。
ジャマイカのような海抜の低い地域では、農家の力で十分な対策を講じることは難しく、国策として小規模農家に対する保険などの政策が必要、と専門家たちは指摘する。ジャマイカに関する多くの研究モデルは、将来の降雨量の減少を示しており、降雨の減少と気温上昇による穀物生産の減少に加え、海水温上昇によって漁業も影響が懸念される、とBritain’s Met Office Hadley CentreのCarol McSweeneyが指摘している。
気温上昇と降雨パターンの変化は、熱帯地域におけるデング熱やマラリアなどの病気やコレラなどの広がり、さらに熱ストレスや水関連疾患の増加の要因ともなる。また海面上昇とハケーンの増大化は低地国の脅威となるが、特に、バハマの場合は人口の88%がそうした低地域に居住しており、他のスリナムや、ギアナ、ベリーズなども同様の深刻な問題に直面している。
こうした変化への対応としては、防波堤を築くなどの対症療法に留まらず、変化に適応するために地域全体の機能を見直す必要がある。「我々は今後、特定のリスクに対して備えるのではなく、様々なリスクに対して包括的に対策を講じていかなければならない」と、英国のInternational Institute for Environment and Development所属のDavid Dodman氏は言う。
例えば対策費用として、飛行機を利用した観光客に対して単に炭素税をかけるような政策は、観光客の減少をもたらすだけだろう。貿易や炭素に関する規制は、今後我々の経済が歩む道を大きく変えていくこと
になるだろう、とDodman氏は指摘する。
http://www.trust.org/alertnet/news/caribbean-states-face-perpetual-recession-from-climate-change