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英トーネス原発、クラゲ侵入で運転停止(Reuters)

2011-07-01 18:28:15

テロリストではないよ
テロリストではないよ


 【ロンドン29日ロイター時事】英スコットランドのトーネス原子力発電所の冷却水プールに28日クラゲが侵入し、原子炉の運転が手動で停止された。運転は29日も止まったままになっている。科学者らはこのような現象が今後多く発生する恐れがあると指摘している。

 フランス電力公社(EDF)傘下のEDFエナジーが運転する同原発の2基の原子炉は、冷却水のフィルターに大量のクラゲがひっかかったため運転を停止した。

 一般的に原発は、近くの海や川から水を取り込んで原子炉を冷却しているが、海洋生物や海藻を取り込まないようにするためのフィルターが詰まると、水温と安全基準を維持するために運転を中止する。英原子力規制局(ONR)はこのような状況が発生した際、原発は事前に作成された計画に従うことになっていると述べた。

 送電を受け持つナショナル・グリッドから入手した最新のデータによると、1号機は7月5日、2号機は6日に再稼働の予定になっているが、EDFエナジーは再稼働の日時を公表していない。電力会社は予想外の運転停止を利用して保守作業を行うことがよくある。

 EDFエナジーの広報担当者は「原発付近の水域からクラゲを除去する作業を行っている。クラゲのより多い水域の監視も行っている」と述べた。

 科学者らによれば、クラゲによる原発の運転妨害は英国ではまれだが、日本などの他の国々ではもっと頻繁に起こっている。

 英国海洋生物学会の海洋生物学者デービッド・コンウェー氏は、「クラゲは大量発生することがある。特に頻繁には起こらないので(EDFは)ちょっと不運だった。おだやかで温暖な天候になると、沿岸で大量発生することがある」と述べた。英国気象庁によると、スコットランド東岸の水温は現在セ氏13度で、この時期の平均よりも1度高いという。

 科学者らは漁業活動の増加や地球温暖化によって、クラゲの生息数が増えており、将来は海の近くにある原発にクラゲが侵入する事態がもっと頻繁に起こる恐れがあると指摘している。

http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2011063000356