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アルマジロ、目下、温暖化する北米を北上中(Scientific American)

2011-07-04 17:26:06

NORTH BOUND: Armadilloes are moving north--along with other species--thanks to a warming climate in North America.
By Douglas Fischer and The Daily Climate: 気候変動によって、アルマジロが米国南東部を北上している。他のネズミや哺乳類も同様に北上中。このアルマジロの北上には思わぬメリットもあるのだ。 アルマジロが北上するルートの一つであるジョージア州北部では、民家近くの沼地に住みついてしまったアリゲーターを捕える際の手頃な餌となっているのだ。つまり、車にひかれてからまだ時間の経っていないアルマジロの死骸が、罠の餌となる。Georgia’s Department of Natural ResourcesのRobin Hillさんは「あれ(死骸)はリスじゃないわね」と言っている。

 アルマジロをはじめとする小型の哺乳動物が、数年前では生物学者らが予期しなかった地域にまで、その分布域を拡大させているのは間違いない。Valdosta State UniversityのColleen McDonough教授によると、アルマジロの北上は、1880年代にテキサス州、1920年代にフロリダ州へ到達してから特に進んでおる。その原因の幾分かは、明らかに気候変動が原因といえる。

 アルマジロは、冬が温暖とは言えなかったインディアナ州やミズーリ州等、教授の「全く予期せぬ」地域に進出している。University of MichiganのPhilip Myers教授によると、アルマジロ以外にシロアシネズミ等も北上しており、「温暖化の結果と思われる非常に明確な変化の実例」である。「分布の北端は今後も、変動していくだろう」とMcDonough教授は言う。こういった変化の帰結は明らかではない。

 アルマジロは農産物に被害をもたらすカミアリの対処に苦しむ南部の住民たちにとって、嬉しい助けになると、McDonough教授は言う。しかしアルマジロは捕食動物でもあるため、同地域のウズラの生息に影響を及ぼしかねない。ウズラはすでに、オポッサム(フクロギツネ)やアライグマ等の捕食動物の影響を受けており、そうした被害からウズラを守るのはさらに難しくなるかもしれない。

Myers教授の研究は一方で、南の種が単に既存の動物相へ加わるのではなく、北の種に取って代わっている、としている。「シマリスを加えたり、ネズミを減じることの影響を予測するには、地域社会の自然の歴史を我々以上に知る必要がある」とMyers教授は言う。「潜在的には現在の種を乱しかねない、巨大な変化が生じている。基本的に私たちができることは、好き嫌いはどうであれ、起きる変化を観測し、評価し続けることだ」

 この記事は、もとはThe Daily Climateという気候変動関連の情報源にあったものである。The Daily Climateは、Environmental Health Sciencesという非営利のメディア集団が公表している。Robin Hill

http://www.scientificamerican.com/article.cfm?id=armadillo-moves-north-across-warmer-north-
NORTH BOUND: Armadilloes are moving north–along with other species–thanks to a warming climate in North America.

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