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放射能除染遅れで休止状態の放牧場を メガソーラーに活用を検討 宮城県・七ヶ宿町(河北新報)

2013-06-07 00:42:18

メガソーラーの誘致構想が浮上した七ケ宿町営柏木山放牧場
メガソーラーの誘致構想が浮上した七ケ宿町営柏木山放牧場
メガソーラーの誘致構想が浮上した七ケ宿町営柏木山放牧場


宮城県七ケ宿町が福島第1原発事故の影響で休止状態となっている町営柏木山放牧場に、大規模太陽光発電施設(メガソーラー)の誘致を検討していることが、5日分かった。利用が低迷していた放牧場を除染して再開するより、再生可能エネルギーを推進した方が、豊かな自然環境をPRする町にとって得策と判断したようだ。

七ケ宿町は柏木山放牧場の敷地約48ヘクタールのうち、急傾斜地を除く約30ヘクタールを太陽光発電に利用できると想定。年間発電量は一般家庭4000世帯分の使用量に当たる14.5メガワットと試算する。
再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度に基づき、20年間発電した電力全量を電力会社に売却する考え。町は事業者を公募し、放牧場の土地を賃貸する方向で検討している。土地使用料などで年間2000万円以上の収入を見込む。
南蔵王山麓にある柏木山放牧場は肉牛と乳牛の育成施設。ピークの2006年ごろは約100頭を受け入れていたが、畜産農家の高齢化などに伴い、震災前は70頭程度に落ち込んでいた。nanagayado20130606004jd
宮城県が2011年5月に実施した調査で、柏木山放牧場の牧草から1キログラム当たり1770ベクレルの放射性セシウムを検出。牧草の給餌や放牧が自粛となり、放牧場の休止状態が続いている。

町はことし秋にも放牧場を除染する計画だったが、「除染の効果や現在の畜産情勢などを総合的に判断した」(町幹部)結果、放牧場を廃止し、メガソーラー事業を誘致する構想が浮上した。
誘致に当たっては、放牧場の農地転用手続きなど課題が山積している。町は今後、関係機関と調整を進める方針だ。

 

http://www.kahoku.co.jp/news/2013/06/20130606t11038.htm