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「クリーンなコンロ」運動、インドでも展開=クリントン米国務長官(Reuters)

2011-07-21 18:27:43

hiralyclinton
【チェンナイ(インド)20日ロイター時事】クリントン米国務長官は20日、自らの外交優先事項の中で最もシンプルだが最も革新的かもしれない取り組みを訪問先のインドでも押し進めた。それは「クリーンな調理用コンロ」の導入だ。

 クリントン長官は昨年、有害な煙の吸入による死者数を減らしたり気候変動を抑制したりするため、開発途上国にクリーンなコンロを導入する5000万ドルのキャンペーンを開始した。同長官はこのキャンペーンで導入されたコンロの一部を視察するため、インドのデモンストレーション施設を訪れた。

 会場では幾人かの女性がさまざまなモデルのコンロを使用していた。コンロには従来型のものから、出力がより大きく効率的で、使用燃料や二酸化炭素(CO2)排出の少ない新型コンロまで、さまざまな種類があった。

 クリントン氏は、各種コンロのそばにいる女性にほほ笑み、あいさつした後で、「ここにいる女性は世界中の女性たちを代表している。彼らはおおむねコンロの最大の利用者であり、被害者でもある」と述べ、「われわれは世界中の人々と協力してクリーンなコンロが開発・製造され、それを皆さんが手頃な値段で購入できるように支援したい」と強調した。

 同長官に同行する米国の政府担当官は「インドのコンロを改善するだけでも大きな影響があるだろう」と述べた。

 インドでは調理用の火から出る煙が原因で年間40万人が死亡している。犠牲者の大半は女性や子どもだ。調理用の火から出るばい煙の排出量はインド全体のばい煙排出量の最大4分の1を占めている。ばい煙はオゾンによる大気汚染とともに、地球温暖化の主要な原因の1つとみられている。

 クリントン長官は今回の訪問で、インドの2つの主要な業界団体がクリーンなコンロを導入する取り組みに参加することになったと明らかにした。これにより、業界団体の巨大なネットワークを用いて新型コンロに関する評判や技術を広められる可能性がある。

 クリントン長官は開発途上諸国訪問の際、多くの時間を割いてクリーンなコンロを推奨してきた。環境を改善し、女性の地位を向上させる方法の1つだと考えているからだ。女性の地位向上は同長官の長年の優先課題の1つでもある。

http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2011072100346