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気候変動で トリュフがドイツの味覚に(Khaleej Times)

2011-07-23 11:09:13

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気候変動によって、フランスやイタリア料理に欠かせないトリュフが、ほどなくドイツの味気ない料理にうまみを加えることになりそうだ、という調査結果を、スイスの科学者が発表した。20世紀中に起きた平均気温の状況によって、トリュフの最適地がこれまでよりほぼ100㎞北に移動している可能性があるという。

発表したのは気候学者で チューリッヒにあるthe Swiss Federal Institute of TechnologyのUlf Buentgen氏。昨年、南ドイツ地方を、特別に訓練されたトリュフ探知犬とともに、調査旅行を実施した際、約2㎏の大物のバーガンディ・トリュフを見つけたという。同氏は発見したトリュフを食して、うなった。「これまで彼の地では、ほとんどこんなトリュフが見つかったという記録はない。温暖化で等温線が100マイル(約110㎞)ほども上昇したと考える以外ない」

Buentgen氏は、この調査に引き続いて、調査地点を210か所に拡大した本格調査を昨年夏以来、ドイツと東部スイスで展開している。この調査は、同地以外にも東部欧州地域が、一かけら1000ユーロ(約1432㌦)もする贅沢なトリュフの産地になり得ることと示している。

トリュフが如何に高価かは、昨年11月にマカオのカジノ王と称される Stanley Ho 氏が、全部で約1.3㎏のホワイトトリュフ二つを食べるのに、$330,000を払ったとされることでも有名だ。

ただ、このトリュフについては、どこで、どうやって繁殖するのかなどは、科学者にもほとんど知られていない。トリュフは地下で繁殖し、いったん掘り起こして収穫すると、同じ場所でもしばらくは発見が難しい。 

Buentgen氏は言う「明らかなことは、これまでトリュフの産地として知られて来た地中海地方での収穫は過去30年間の間に確実に減少しているということだ」。こうした産地の変化は明らかに気候変動がもたらしたものと指摘している。さらに、「さらなる調査が必要だ。この調査は、科学的にも、経済的にも、そして美食という点でも極めて重要だ」と述べている。

http://www.khaleejtimes.com/DisplayArticle08.asp?xfile=data/environment/2011/July/environment_July32.xml&section=environment

関連原稿(アルマジロも北上しているよ):http://financegreenwatch.org/jp/?p=3060