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米、新設発電所のCO2規制発表 米欧の発電所規制出そろう 日本だけ無規制 見劣りする温暖化対策(FGW)

2013-09-21 12:08:50

DCF 1.0
DCF 1.0米環境保護局(EPA)は20日、米国で新設する発電所への二酸化炭素(CO2)排出量の上限規制の導入を発表した。14年1月までに既存発電所への規制も公表する。発電所は国内最大のCO2排出源であるためで、すでに欧州連合(EU)は欧州排出量取引制度(EU-ETS)の対象に発電所を加えており、日米欧で、発電所規制がないのは日本だけとなる。




 オバマ大統領は今年6月に地球温暖化対策の行動計画を発表しており、今回のEPAの規制導入はその一環。発電所は米国内のCO2排出量の約3分の1を占めている。規制では、新設の石炭火力発電所は発電量1000キロワット時あたり1100ポンド(約500キログラム)、大型天然ガス発電所については同1000ポンド(約450キログラム)となる。

発電所へのCO2規制は東部10州で独自に排出量取引制度の対象となってはいるが、連邦規制として導入されるのは初めて。当初の案に比べて石炭火力発電所への上限を1000ポンドから1100ポンドへとやや緩和した。またEPAは14年1月までに既存発電所へのCO2排出規制案を公表する予定。

発電所は最大の温暖化ガス排出源であり、EUは2005年から稼働させているEU-ETSで発電所を当初から規制対象としている。

これに対して、日本では発電所だけでなく、最大のCO2排出源である産業部門への規制はなく、経団連をベースとした自主規定で対応している。しかし、東電の福島原発事故以降、原発稼働がほとんど止まってしまったため、火力発電に切り替える電力会社が増え、日本全体のCO2排出量を増大させている。

電力会社は原発再稼働を目指してはいるが、福島事故後の安全性の確認が十分でないほか、安全対策でのコストアップで、従来想定されていたよりも発電コストに負荷がかかる形となっており、比較的簡単に建設できる火力発電所にシフしている。しかし、米国が本格的な連邦規制に動き出したことで、発電所規制がまったくない先進国は事実上、日本だけとなり、ポスト京都の国際枠組み交渉上も、「やるべきことをやらない国」の一つとして国際的批判を受ける可能性が出てきた。

http://www2.epa.gov/carbon-pollution-standards