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途上国向け環境投融資増額で、国際金融人が会合。公的ファンドの活用など指摘 (The Climate Group)

2011-08-01 17:52:48

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国際的官民連合のNGOである「The Climate Group」は、ポスト京都の国際温暖化枠組み交渉をにらむ形で、このほど、米ニューヨークで国際金融機関の代表を集めた会合を開いた。会合には世界銀行の気候変動特別大使であるAndrew Steer らが参加。途上国での投資プロジェクトを推進するため、政治リスク等をカバーする公的ファンドの活用などが指摘された。

The Climate Group は2004年に設立された官民による国際NGO団体。HSBC、Swiss Re、Deutche Bank,Goldman Sacks 等の金融機関のほか、Google, Dell, Coca-Cola なども参加している。

今回の会合には、 Barclays Capital, Bloomberg New Energy Finance, BNY Mellon, Citi, Deutsche Bank, Goldman Sachs, MEAG New York Corporation, Morgan Stanley and Sustainable Development Capital などの金融機関、金融関係機関が参加し、途上国向け温暖化資金を増やすための方策について議論をした。

世界銀行などの試算では、世界全体の温暖化進行を食い止めるためには、先進国と途上国あわせて、年間1兆ドル規模の投資が必要とされている。特に、途上国向け投融資を促進することが、ポスト京都交渉の課題にもなっている。

議論の中で、Andrew Steerは、世銀のClimate Investment Fundsや、Global Green Fundのような相対的に小規模な公的ファンドによってレバレッジ効果を効かせて、いかに民間資金を誘導するかだと指摘。これに対して民間金融機関からは、途上国での温暖化ビジネスでは、採算のとれる投融資事業を選別することや、政治リスクを避けることなどが課題となっており、それらを公的ファンドでカバーしてもらいたいとの声があがった。

具体的には、①途上国での気候変動投融資を改善するため、公的ファンドによる政策支援措置の保証、事業からの発電契約確保などの措置②途上国での温暖化投融資モデルの開発③既存の国際金融公社(IFC)などの途上国向け投融資経験の活用――などを求める意見が出た。

Amy Davidsen, US Executive Director, The Climate Group は、「現時点では、途上国向けに必要な温暖化投融資の規模と、現実に利用可能な規模との間には大きなギャップがある。これを埋め合わせるためには、公的ファンドが民間資金を誘導するための触媒の役割を果たす必要がある」と述べている。

http://www.theclimategroup.org/our-news/news/2011/7/23/finance-leaders-discuss-public-sector-funding-to-tackle-climate-change/