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「環境短観」発表: 日本市場で今後有望な「環境ビジネス」のトップは、再生可能エネルギー事業(FGW)

2011-08-26 17:21:15

風力など再生可能エネルギービジネスには追い風が吹く?
風力など再生可能エネルギービジネスには追い風が吹く?


環境省は企業が環境ビジネスにどう取り組んでいるかを調べる今年6月時点での環境経済観測調査(通称:環境短観)を公表した。それによると、わが国で発展している環境ビジネスについては、「現在」時点はハイブリッド車などの省エネルギー自動車がトップだが、「半年先」では太陽光発電システム、「10年先」では再生可能エネルギーがトップとなった。再生可能エネルギー法の成立を見越して、産業界が再生可能エネルギー関連事業に照準を合わせていることが浮き彫りになった。

同調査は、日銀短観のように、企業の環境ビジネス動向や景況感を定期的にヒアリングするもので、昨年12月から本格的に実施している。対象企業数は資本金2000万円以上の企業から抽出した11,497社。

昨年12月調査では、わが国で発展している環境ビジネスについての問いに対して、「現在」「半年後」「10年後」のいずれも省エネルギー自動車がトップの回答を占めた。今回の変化は、明らかに再生可能エネルギー法成立を意識したビジネス展望を示している。環境ビジネスは技術可能性だけでなく、法制度・規制による需要の創出が一つのカギとなることを如実に表した結果となった。

「今後実施したいと考えている環境ビジネス」という問いについても、全産業、製造業、非製造業、大企業、中小企業を問わず、いずれも再生可能エネルギー事業をトップに挙げている。孫他は、太陽光発電システム(再生エネ事業と別掲)、スマートグリッドなどの回答が上位を占めた。

環境ビジネスの景況感(業況判断指数DI:「良い」と答えた企業と「悪い」と答えた企業の差)は、現在はプラスの3で、前回調査(昨年12月)の13からダウンした。ただ、大企業に限ってみるとプラスの12で、中小企業がマイナス4と企業規模でかなりの格差がみられる。先行きでは、「半年k後」が全体でプラス14(前回16)、「10年後」がプラス55(同53)と、先行き楽観的になっている。これも再生エネ法の成立を見込んだ展望とみることができる。

環境ビジネスを分野別にみると、「地球温暖化対策」に関した企業の「現在」のDIが、プラス12と好調なのに比べて、公害防止技術などの「環境汚染防止」分野はマイナス5、「廃棄物処理・資源有効利用」分野はマイナス3、「自然環境保全」分野も同じくマイナス3と、いずれも足踏み状態となっている。しかし、こうした分野でも先行きはプラスに転じる見通しだ。

調査の概要は環境省の次のサイトへ http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14144