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釜石に自然エネ発電設置へ 災害時、電力や熱源自給(岩手日報)

2011-09-06 12:56:00

釜石市に今月、設置が予定される風力、太陽光発電装置。電力は冷蔵や照明など多用途に使うことができる=一関高専
東日本大震災後の自然エネルギー活用に向け県環境保健研究センターと県立産業技術短期大学校、岩手大、一関高専などは今月から、共同開発した太陽光や風力、木質バイオマスによる発電システムを沿岸被災地に設置する。災害時にも電力や熱源を自給できる機器で、釜石市内に設置を予定。地域の力を集め、多重防災のまちづくりに踏み出す試みとして注目が集まる。

 今月中の設置を目指すのは、風力と太陽光で発電し、冷蔵庫や街路灯、非常用通信設備などに電力を供給するシステム1機。冷蔵庫は、エネルギー効率に優れたスターリングエンジンを冷熱源とする。

 風力、太陽光を合わせた発電能力は最大1・12キロワット時。バッテリーに蓄電し、災害で停電や燃料不足が生じても冷蔵庫(容量100リットル)は4日間、仮設住宅団地の集会所などの照明や通信用途なら1週間程度使用可能だ。冷蔵庫は、一般的なモーター式ではなくエネルギー効率に優れたスターリングエンジン式を採用した。

 食品や薬剤の保存のほか、照明や冷暖房など多用途に使っても救援を待つ数日間をしのぐことができる。

 さらに年内には木質バイオマス・ボイラーを熱源に同エンジンで発電し、ボイラーから出る熱や温水をポンプ供給する装置を設置する予定。がれき木材も燃料にし、最大3キロワット時発電できる。暖房や入浴、炊き出し、融雪など用途は幅広い。

 一関高専機械工学科の星朗教授は「日照が弱まる冬場でも風力に期待できる。がれきはチップ化せず燃やすことができ再利用も進むだろう」と見据える。

釜石市に今月、設置が予定される風力、太陽光発電装置。電力は冷蔵や照明など多用途に使うことができる=一関高専


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