HOME9.中国&アジア |米中、2020年以降のCO2排出目標で合意。米25年までに26~28%減、中国は30年までに伸びゼロ(FGW) |

米中、2020年以降のCO2排出目標で合意。米25年までに26~28%減、中国は30年までに伸びゼロ(FGW)

2014-11-12 13:40:02

歓迎式典に臨むオバマ米大統領(左)と中国の習近平国家主席=12日、北京の人民大会堂
歓迎式典に臨むオバマ米大統領(左)と中国の習近平国家主席=12日、北京の人民大会堂
歓迎式典に臨むオバマ米大統領(左)と中国の習近平国家主席=12日、北京の人民大会堂


各紙の報道によると、米国と中国は、2020年以降の地球温暖化対策としてそれぞれが義務的な削減目標を掲げることで合意した。米国のCO2削減目標は2025年までに05年比で26~28%削減、中国は30年までにCO2排出量を伸び率ゼロ(ピークアウト)にするというもの。

中国と米国はCO2などの温暖化ガスの排出量でそれぞれ世界1位、2位の割合を占めている。両国の排出量をあわせると世界全体の約4割を占める。来年12月にフランスのパリで開く国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で、2020年以降の国際枠組みの合意が期待されており、米中の今回の合意は、新たな国際枠組みづくりに大きな影響を及ぼしそうだ。

 

今回の合意は、中国訪問中のオバマ米大統領と習近平国家主席が2日目の首脳会談の終了後に、それぞれの首脳が記者会見で明らかにした。米中は今回の合意に向けて9ヶ月にわたる秘密交渉を重ねてきたという。

 

米国の2020年以降の目標は、現在、2020年に向けた自主的目標として掲げる17%削減(05年比)に比べて倍近い26~28%。すでにオバマ政権は、今年夏に既存の石炭火力のCO2排出量を3割削減する対策を州法レベルで進める方針を打ち出している。

 

一方の中国はこれまで他の途上国と同様、義務的なCO2削減対象とはなってこなかった。しかしCOP21では途上国も削減義務を負う形での枠組みをつくることが決まっており、最大の排出国である中国の動向に焦点が集まっていた。中国が公表した目標は2030年という新国際枠組みの最終年までに排出量の伸び率をピークアウトさせるというもの。目標実現のために、中国の全エネルギー生産の20%分を太陽光や風力などの再生可能エネルギー発電で賄うとしている。

 

経済成長7%台の中国にとって、CO2排出量伸びゼロということは、目標年以降の新規経済成長分は、排出ゼロで行わねばならないことを意味する。このため現在の石炭中心のエネルギー構造の抜本改革が必要になる。同時にそれは、再生可能エネ発電を筆頭に、エコカー、グリーンビルディング等、多様な領域で大きな需要を生み出す可能性がある。

 

両国の合意に関連して、中国市場での再生可能エネ事業への米資本の関与、あるいは世界最大の保有量があるとされる中国でのシェールガス開発への米国の協力等の「米中温暖化協力」が多様に結ばれるとみられる。

オバマ政権は米議会の上下院とも共和党の多数支配下にあるが、今回の米中協力は議会の承認を必要としないことから、「環境派オバマ」のリーダーシップを発揮した形になる。

 

http://www.nytimes.com/2014/11/12/world/asia/china-us-xi-obama-apec.html?emc=edit_na_20141111&nlid=53089890&_r=0