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2014年の世界のCO2排出量 前年比横ばい。経済成長3%での横ばいは初めて。温暖化対策の効果を立証(FGW)

2015-03-14 16:54:18

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中国が汚染許可取引制度を検討へ、環境対策の一環で国際エネルギー機関(IEA)によると、2014年の世界の二酸化炭素(CO2)排出量は、前年と変わらない323億トンだった。昨年の世界経済は3%成長しており、経済成長しながらCO2の排出量が横ばいになったのは、IEAが統計を取り始めてから過去40年間で初めて。

 

過去10年間のCO2排出量は年平均2.4%増を続けていた。経済がプラス成長しているのに経済活動の結果であるCO2排出量が伸びなかったのは、各国で実施している削減策の効果が反映したとみられる。IEAのチーフエコノミストのFatih Birol氏は、「この事実は、人類が力を合わせれば、温暖化の進行を抑制できることを示している」と指摘している。

 

過去40年のうち、CO2排出量が前年と横ばいあるいは減少した年は3回あった。1980年代初めと、1992年、2009年。いずれも世界経済が減速したことが排出量の伸び鈍化につながった。しかし、今回は経済成長しつつ排出量は伸びなかったわけで、「経済成長と温暖化ガス排出量のデカップリング(分離)が初めて起きた」(Birol氏)ことになる。

 

IEAは、排出量抑制効果が大きかったのは、中国とOECD諸国においてエネルギー消費のパターンに変化があったことが影響したとみている。中国では、太陽光や風力、水力等の再生可能エネルギー発電が増えており、OECD各国では、再エネ発電に加えて、エネルギー効率化が進められている。低炭素化と経済成長の両立の可能性が示されたといえる。

 

http://www.iea.org/newsroomandevents/news/2015/march/global-energy-related-emissions-of-carbon-dioxide-stalled-in-2014.html