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韓国の2030年の温室効果ガス排出削減目標 BAU比37%減、 2005年比4%減。産業界の削減比率緩和、海外クレジット活用(各紙)

2015-06-30 21:48:37

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 各紙の報道によると、韓国は30日、2030年の温暖化ガス排出量を、特別な対策をとらない場合(BAU:Business As Usual)に比べて37%削減する目標を発表した。2005年の排出実績比では4%減となる。韓国の二酸化炭素(CO2)排出量は世界7位。従来は20年までに予測排出量に比べ30%減、05年比では4%減らす目標を掲げていた。

  韓国政府は2030年のBAUの温室効果ガス排出量を8億5060万トン(CO2換算)と算定。今月11日に発表した政府案ではBAU比で14.7~31.3%削減する4通りのシナリオを提示したが、従来の削減目標に比べ後退したと批判されていた。4案で最も厳しい31%減の場合でも05年実績に比べると排出量は増える計算だった。

 

このため最終的には削減幅を4シナリオよりもさらに積み増した。しかし、産業界は31%減が採用されると国際競争力が損なわれると主張していた。そこで産業界の負担軽減として、BAU比で最大12%までの削減に抑え、企業を直接規制するより、産業界の自主的削減を支援する制度を活用するという。日本の産業界支援制度を〝コピー”したようだ。

 

 37%の削減目標のうち、国内で達成するのは25.7%で、残りの11.3%は市場メカニズムを通じて海外から排出権クレジットを調達する。また国内での排出抑制のためエネルギー関連産業を積極的に育成する。電気自動車(EV)の普及やCO2の回収・貯蔵技術の開発などを支援する。

 

 原子力発電所の追加建設を検討するほか、輸送や建物などの温室効果ガス削減技術の開発と削減手段も支援する。

 

 黄教安(ファン・ギョアン)首相は「温室効果ガスの削減過程をエネルギーの新産業創出のきっかけとして積極的に活用するということや、韓国が国際社会で気候変動対応をリードする役割を果たしてきたことなどを勘案し、提示案より削減目標を上方修正した」と説明した。