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農水省 温暖化対策で「気候変動適応計画」策定。コメの収量は全国的に低下へ。コシヒカリの最適産地も北上(FGW)

2015-07-06 15:09:03

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農林水産省は地球温暖化による「気候変動適応計画」をまとめた。温暖化の進展で、従来の農作物の生産量や品質低下がすでに起きていることから、被害を最小化するとともに、温暖化に対応できる品種の改良や災害対策、気候変動がもたらす新たな機会の利用等を整理した。

 

 温暖化の進展で将来予想される影響は多岐にわたる。気温が現在より3℃上昇すると、全国の水稲の収量は北日本地域を除き、全面的に減収する。コシヒカリなどの銘柄米の最適産地も、北上することになる。

 

このため高温耐性を持つ品種開発を基本的に推進するため、2015年以降、高温不稔に耐性を持つ育種素材の開発に着手するほか、2016年以降はそれらの品種の作付け実証の取り組みを支援する。

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また温暖化の進行に伴い、これまで以上に表害虫の発生が予想されることから、新たな被害軽減技術を2019年までに開発する。水稲以外でもみかんや、りんご、ぶとう等の果樹の栽培適地は都市を追うごとに北上する。現在の最適耕作地では、高温による生育障害の発生が増加すると予想される。

 

 このため果樹類では2019年度をめどに高温耐性を持つ育種素材を開発するとともに、温暖化のプラス面を生かして、高付加価値の亜熱帯・熱帯果樹の導入実証取り組みにも取り掛かる。すでに日本産のマンゴーは人気だが、さらに「日本産パパイア」同ドリアン」などが市場に登場するかもしれない。

 


  適応計画では病害虫・雑草でリスク評価と被害低減技術開発に着手するほか、野菜や花でも高温に強い品種開発を推進すべきだとしている。

 

病害虫については、CO2濃度が高まると、イネ紋枯病やイモチ病などの発生の増加が予想されるほか、家畜類についても鳥インフルエンザなどの動物性感染症の増加が見込まれる。病害虫に強い品種改良のほか、発生予測事業の展開やリスク管理の充実が必要となる。

http://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/kikaku/goudou/20/pdf/data3.pdf