HOME |ルセフ・ブラジル大統領 国連演説で、2030年までに温室効果ガス43%削減(2005年比)目標を明言。アマゾンの違法伐採摘発、再エネ比率45%に引き上げ(各紙) |

ルセフ・ブラジル大統領 国連演説で、2030年までに温室効果ガス43%削減(2005年比)目標を明言。アマゾンの違法伐採摘発、再エネ比率45%に引き上げ(各紙)

2015-09-28 22:47:01

RUSEFキャプチャ

 各紙の報道によると、ブラジルのルセフ大統領は27日、米ニューヨークで開いた国連サミットで演説、「2030年までに温室効果ガスを2005年比で43%削減する」と表明した。

 

  年末にパリで開く国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に向けて国際公約として打ち出した。中間の25年までに37%削減する。ルセフ大統領は「COP21は、気候変動への世界の挑戦として、(各国が)共通の対応策をつくる唯一の機会」と指摘、国際合意の成立に期待を示した。

 

 「2030年43%削減」を実現する温室効果ガス削減対策としては、アマゾンの熱帯雨林の違法な森林伐採を撲滅し、1200万haの森林を再生する。また、太陽光や風力、さらにサトウキビ由来のバイオエタノール燃料などの再生可能エネルギーを発電量の45%にまで引き上げることなどを提示した。

 

 ルセフ大統領は国連での演説後、記者会見し、COP21成功のカギを握る途上国の意向を左右する中国の温暖化対策について、「習近平政権と戦略的な関係を構築している」と強調した。

 

 中国は世界最大のCO2排出国だが、訪米した習近平国家主席は中国全土を対象とした温室効果ガス削減の排出権取引制度の導入を宣言するなど、積極的な発言をしており、ルセフ大統領は、「中国は世界に大きな貢献をしている」と、習主席の温暖化外交を評価した。

 

 また欧州で起きているシリア難民の大量流入問題については「私の父も第2次世界大戦の難民であった。ブラジルは難民によってつくられた国。今もシリア難民を歓迎する余地はある」として、移民の受け入れに寛容な姿勢を示した。