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2011年の世界の再生可能エネルギー市場、前年比5%増で過去最高の2600億㌦に(FGW)

2012-01-17 21:04:52

メガソーラーの建設は世界中に広がっている
環境金融分野の調査会社であるBNEFは、2011年の世界の再生可能エネルギー市場が、前年比5%増の2600億ドルに達したと公表した。規模の増大だけではなく、特徴的な変化が起きている。一つは太陽光発電への投資が増え、初めて風力発電投資を上回

メガソーラーの建設は世界中に広がっている


った点であり、もう一つは2008年に中国に抜かれていた米国が、再び抜き返した点だ。

世界全体の再生可能エネルギー市場は2004年には536億㌦だったことから、この8年間でほぼ5倍の規模に膨らんだことになる。特に昨年は、ユーロ危機の顕在化で、温暖化政策で先陣を切ってきた欧州諸国の財政事情の悪化や、株価の低落、利幅野縮小投等のマイナス材料が相次いだが、それでも一昨年の市場規模よりも伸びた。

特に、太陽光発電事業への投資は前年比36%増の1366億ドルとなり、風力発電の749億ドル(前年比17%減)のほぼ倍になった。同社の調べでは、過去にも太陽光発電への投資が風力発電を上回ったことは2度ある(2004年、2010年)という。しかし、その差が倍にも開いたのは初めてのこと。太陽光発電投資が増加したのは、2011年を通じて太陽光パネルの価格が50%下がるという価格効果が大きく影響した。その分、投資が増大し、投資総額としては再生可能エネ市場全体の半分を占めることになった。

米国国内での再生可能エネ投資が中国市場を上回ったのは、主に連邦政府のLoan guarantee programe と財務省の補助金programme による。しかし、これらの措置はすでに期限を迎えて停止している。米国の主要補助策として残るのは、Production Tax Credit (再生可能エネ事業投資の税額控除制度)があるが、これも今年末に期限を迎える。PTCはこれまでも期限延長されてきたが、もしも延長できないとなると、今年の米国での投資は期限切れ前の駆け込み需要でさらに膨らむ可能性があるという。

欧州市場での投資は、かろうじて前年を上回り、3%増の1002億ドル。ドイツやイタリアでのメガソーラー事業や北海での洋上風力事業等が引っ張った。地域別で伸びが目立つのがインドで、前年比52%増、ブラジルは15%増となっている。

BNFのサイト http://www.bnef.com/