HOME |集光型太陽光発電に人気=一部の大企業も参入(Reuters) |

集光型太陽光発電に人気=一部の大企業も参入(Reuters)

2012-01-20 13:01:41

太陽光パネルを検査する作業員(2012年1月17日、米カリフォルニア州ポモナ)
【ロサンゼルス18日ロイター時事】太陽光の力を何百倍にも高められる集光型太陽光発電(CPV)という新技術が急成長している。この技術を使うと従来型太陽光パネルよりも安価で電気が提供できるため、一部の業界大手から支持されている。

太陽光パネルを検査する作業員(2012年1月17日、米カリフォルニア州ポモナ)




 CPVは晴天が非常に多い砂漠のような場所に設置するのがベストだが、今後いくつかの難題に直面する恐れがある。従来型太陽光パネル価格の急落や、新技術に賭けることに対して弱気になるかもしれない資金調達環境などだ。

 しかし、それでも一部の大手企業は市場に参入している。米サンパワーやスイスのABBグループはここ数カ月の間にCPVへの大きな賭けに出た。以前は、主にシリコンバレーの少数の新興企業のみがこの技術を扱っていた。

 フランスの半導体材料メーカー、ソイテックのアンドレジャック・オベルトンエルベ最高経営責任者(CEO)は「これは長期的に見て持続可能な唯一のモデルだ。ここ10年間従来型太陽光パネル市場を支えてきたような補助金がなくても非常に競争力が高いからだ」と述べた。

 GTMリサーチによると、CPVの市場シェアはまだ小さく、進行中のプロジェクトの規模は合計で689メガワット(MW)にすぎず、世界中で設置された従来型パネルの3万3000MWを大きく下回る。2015年までに新規設置が1000MW以上に伸びるとみられているが、地理的な制限を考慮すると市場シェアは小さいままで、同年の時点でも、CPVが太陽光発電市場に占める割合は4%に満たないと予想されている。

 CPV技術にはさまざまなものがあるが、基本的な類似点はレンズや鏡を使って非常に効率の高い太陽電池に太陽光を集めることだ。また、最大限の太陽光を集めるためにトラッキングシステムが使われている。

 太陽光の力が何倍にもなるため、必要な太陽電池の数は減る。CPVメーカーはこれが一番の強みだと指摘する。再生可能エネルギー企業は政府の補助がなくても原子力、石炭、それに天然ガスをベースにしたエネルギーと競争できるよう、コスト削減に努力しているからだ。

 

http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2012011900425