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地球を「 冷ます」ための、持続可能で小規模な自作農業の必要性について(FOE)

2012-01-26 15:16:51

ダーバンで行なわれた国連気候変動会議で、農業が温暖化効果ガスの4分の1の責任があることが再確認されました。 しかしながら、この会議では、工業化された農業がその主な原因であることは追求されませんでした。また持続可能で小規模な食料生産が、温室効果ガスを減らす唯一の解決策であることを露にするにいたらなかった、とFoE インターナショナルは述べています。

本日ダーバンでは、FoEキャンペーナーが国際農民運動’La Via Campesina’(1)のメンバーである自作農民200人とマーチを行いました。このマーチは、現在の主流である工業化された農業が気候変動を引き起こす大きな要因のひとつであると指摘し、世界的に行われている農地買収の動きを公にする目的をもって行われたのです。

このマーチは、「地球を冷ますための持続可能な小規模農業の推進と食料主権の日」を祝うマーチであり、世界の自作農と小作農の生産者に対する敬意を要求するための象徴的な行動でした。

FoEインターナショナルの食料主権コーディネーターであるマーティン•ドレゴは「 気候危機と食物危機には、食料主権を通して取り組むことが出来るのです。基本的に、持続可能な自作農業や、小規模食物生産の促進を目指すことです。」と主張しています。

さらに、「小規模農業は、食の安全と食料主権を向上させるだけではなく、温暖化効果ガスの2つの主要な原因である食物の長距離移動と工業化された農業を減少させることによって、気候変動の対策にもなりうるのです。」と加えました。

FoE インターナショナルの代表、二モ・バッセイは、次のように述べています。「私たちは、国連気候会議で押し出された土壌を炭素市場として捉える‘クライメート•スマート農業’を、気候変動に対する誤った解決策として強く非難します。これらの誤った解決策は、農業における気候変動への本質的な原因を解決せずに、状況を悪化させ、さらなる温暖化へと導くのです。」

 

ノート:
(1)La Via Campesina は、農民、小規模/中規模生産者、土地を持たない人々、田舎の女性、先住民、田舎の若者と農業に関わる労働者による国際的な活動です。

食料主権は、地元生産の促進や農地改革、先住民領土の保護を含みます。またそれは、自作農や先住民の知見に根ざし、生態系に配慮する生産モデルに深く依存しています。これらのモデルにおいて、多国籍企業や化学農薬、遺伝子組み換え穀物は存在し得ないのです。

La via Campesina は1996年にはじめて食料主権を紹介しました。多くの社会的活動やFoEインターナショナルを含む多くのNGOは、あらゆる場所で農業と食に関する政策を変える試みにおいて食料主権の概念を強く支持してきました。

La Via Campesinaを組織する世界中の数百万の自作農、小規模農家の人々は、この問題が消滅してしまうことを拒否し、地球と人類を深く気遣う世界中の数百万の人々と共に、食料主権を、新しく必要な道として認識しているのです。
http://www.foejapan.org/climate/cop/20111205.html(翻訳協力:早乙女 裕)