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研究報告:海水中のCO2濃度の上昇は、魚の脳や中枢神経を狂わす(日刊温暖化新聞)

2012-02-08 18:15:36

(オーストラリア研究会議・サンゴ礁研究の中核的研究拠点より)

海水に溶け込む人為起源の二酸化炭素(CO2)の増加は、海水魚の脳や中枢神経系の働きを乱して、その生存を脅かす可能性があるとする国際チームの研究が、科学誌「Nature Climate Change」に掲載された。オーストラリア研究会議・サンゴ礁研究の中核的研究拠点(ARC Centre of Excellence for Coral Reef Studies)が1月16日に伝えた。

今世紀末までに予想される海洋のCO2濃度は、魚類の聴覚、嗅覚とともに、回転する能力や捕食魚から逃れる能力も損なうようになると、研究者の一人であるフィリップ・マンデイ教授は述べている。この研究によると、上昇するCO2濃度が、魚の脳にあるGABA-A受容体を直接刺激し、通常の機能を逆転させたり、一部の神経シグナルを過剰に興奮させたりするという。

脳を持つ大部分の動物はGABA-A受容体を持っているが、水中生物は血液中のCO2レベルが低いため、影響を受けやすいと研究者らは考えている。一部の甲殻類や、ほとんどの魚類、特に酸素を多く消費する魚類の影響が大きいという。酸素消費量の多い魚類には、世界の水産業が対象としているような重要な種も含まれている。

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