HOME |東京都が温暖化ガス排出量取引制度の第3期(2020~24年度)削減義務案を公表。基準年度を平均から過去の最大排出年度に変更。平均7%削減目指す(RIEF) |

東京都が温暖化ガス排出量取引制度の第3期(2020~24年度)削減義務案を公表。基準年度を平均から過去の最大排出年度に変更。平均7%削減目指す(RIEF)

2018-03-29 11:54:09

tokyotoキャプチャ

 

 東京都は28日、2010年度から実施している都独自の温暖化ガス排出量取引制度(キャップ&トレード)の第3期(2020~24年度)の削減義務率案を公表した。制度開始後の11~14年度の排出量のうち最も多かった年度を基準に、オフィスビル、工場等を合わせ平均7%の削減を義務付ける内容。

 

 東京都は同制度の運用を通じて、都内の企業・ビル等の省エネを促進、現行の温室効果ガス削減計画(2020年までに2000年比で25%削減)をさらに強化し、2030年までに同30%削減する目標の達成を目指す、としている。

 

 都の排出量制度は、第1期(2010~14年度)が基準排出年度(02~07年度のいずれか連続する3年間の平均排出量)より6%(事業所、工場)、8%(ビル)の削減義務を課し、第2期(15~19年度)は同15%、17%となっている。事業所やビル等は削減義務を履行できない場合は、取引制度を利用して他社の排出クレジット等を購入、相殺できる。

 

 第3期の排出削減目標を設定するに際して、都は有識者検討会(座長・高村ゆかり名古屋大学教授)を設置、今回、同検討会に都の案を提示した。第3期案の特徴は、基準排出量を従来の過去の平均値から、温暖化ガスの削減が進んだ制度開始後の排出量に変える点。削減率は平均で7%を求める。

 

 7%を事業所、工場、オフィスビルごとの削減義務率にどう配分するかは、現時点では提示していない。基本案のパブリックコメントを経て、夏までに決定するとしている。また第4期(25~29年度)の平均削減目標案は17%と設定した。

 

 これまでの排出量取引制度の成果で、2016年度の対象事業所の温暖化ガス排出量は基準排出量から26%減少して1213万㌧になった。対象事業所の8割が制度による削減義務率を達成した。制度による削減義務に適合するため、オフィス内の省エネ化が推進されているほか、新規建物のグリーン化も進んでいる。ただ、既存の古い建物等の対応が課題になっている。

http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/climate/large_scale/overview/after2020/index.html