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イオン、2050年までに全店舗でのCO2排出量をゼロとする「脱炭素実現」を宣言。「RE100」にも日本の大型小売として初の参加(RIEF)

2018-04-04 00:41:48

Aon2キャプチャ

 

 イオンは、2050年までのCO2排出量削減ビジョン「イオン脱炭素ビジョン2050」を発表、2050年までに全店舗でのCO2排出量をゼロにすると宣言した。中間目標として2030年までにCO2排出量を2010年比で35%削減する。また事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギー電力に切り替える国際イニシアチブ「RE100」にも加盟した。日本企業のRE100加盟は5社目。

 

 イオンは、内外で約300モール、総合スーパー等を約630店舗を展開しており、全体の電力消費量は年間で約74億kWhに達する。日本全国の電力消費量は8,505億kWhなのでイオン1社で日本全国の0.9%の電力を消費している計算だ。そのイオンの脱炭素、再エネ100%宣言は、他の企業をリードする影響が期待される。

 

 「脱炭素ビジョン2050」は、3つの公約を掲げている。①店舗で排出するCO2排出量を2050年までに総量でゼロにする②商品や物流等の過程で発生するCO2排出量もゼロにする「努力」をする③すべての顧客(消費者)とともに脱炭素社会の実現に努めるーー。②と③は努力目標だが、企業を取り巻くステークホルダーを巻き込んで脱炭素化への転換を呼びかける形だ。

 

Aon1キャプチャ

 

 また①については、中間目標として2030年までに約35%削減する、としている。中間目標はパリ協定の「2℃目標」達成に向けて取り組む国際イニシア ティブ「Science Based  Targets(SBT)」に準拠する。イオンは引き続き、アジアなどの海外店舗網の拡大を進めているが、事業拡大が進んでも、中間目標、最終目標の達成は堅持する方針だ。

 

 中間目標達成に際しては、店舗・事業所運営にでのCO2発生源の約9割を占める電力使用の省エネ化を進め、総量で年1%以上を削減する、としている。これまで取り組んできた環境配慮型のモデル店舗 「スマートイオン」を脱炭素の視点で進化させ、標準的な店舗と比べ、CO2排出量を50%削減する「次世代スマートイオン」を開発する、としている。

 

 日本の大手小売業の「RE100」参加は初めて。再エネ化を進めるため、太陽光パネルの設置による自前の再エネ発電の調達促進、購入電力の再エネ転換、グリーン電力証書の購入等も同時に進める。

 

Aon3キャプチャ

 

 イオンは2010年の基準年時点で、連結売上高5.1兆円、店舗の延床面積が3400万㎢。2016年にはそれぞれ6割増の8.2兆円、17%増の4000万㎢に拡大している。一方で、この間のCO2排出量は8.2%の削減となっている。事業拡大の一方で、CO2排出の絶対量を削減できた実績を踏まえて、今回の「2050年排出ゼロ宣言」を行ったわけだ。

 

 すでに3月には、本社(千葉、イオンタワー)での使用電力を、東京電力の水力発電由来の「アクラプレミアム」に切り替えて、100%再エネ化を一足早く実現している。また子会社イオンモールでは2017年11月に、事業運営に関係する車両を電気自動車(EV)に転換する「EV100」に加盟、すでに国内前モールにEV充電器の設置を完了している。

 

http://www.aeon.info/news/2018_1/pdf/180328R_3_2.pdf