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訪米中のマクロン仏大統領、米議会で「トランプ政権のパリ協定への復帰」を呼びかける(各紙)

2018-04-26 15:07:04

 

  訪米中のマクロン仏大統領は25日、米議会の上下両院合同会議で演説した。この中で大統領は、地球規模の課題の解決に向けて欧州と米国は協力しなければならないとし、パリ協定からの離脱を宣言しているトランプ米大統領に向けて、「米国が協定に戻ることを信じている」と呼びかけた。

 

 マクロン氏の訪米は3日間。24日には、トランプ米大統領とホワイトハウスで首脳会談を開いている。首脳会談でもイラン核合意や北朝鮮問題などとともに、パリ協定についても話し合ったとされる。マクロン氏はトランプ大統領の就任後初の国賓として迎えられた。上下両院合同会議で仏大統領が演説するのは8人目。マクロン氏が演説した4月25日は1960年に当時のドゴール仏大統領が演説したのと同じ日だった。

 

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 マクロン氏は、議会演説で、、「21世紀は先行世代が想像もしなかった脅威や課題をもたらしている」と指摘。「我々は新たな多国間主義に基づく21世紀の世界秩序を構築することができる」と表明し、国際協調の重要性を訴えた。「米国第一」を掲げるトランプ米大統領を念頭に、自国の利益を最優先する単独主義や保護主義をけん制した形だ。

 

 政治的課題への対応に加えて、温暖化対策の国際枠組みであるパリ協定に言及、「生きることは地球を破壊し、子どもの将来を犠牲にして暮らすことなのか」と疑問を呈し、「地球を代替するものはない」と強調した。そのうえで、トランプ氏がパリ協定からの脱退を宣言したことを踏まえて「米国はいつか復帰すると確信している」と語った。マクロン氏が環境問題を語る間、多くの民主党議員が立ち上がり拍手を送ったが、共和党議員は一部だけが歓迎する形となり、米国政治でのスタンスの違いが明瞭に表現された。

 

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 マクロン氏は、通商問題でも「WTOでの交渉によって正しい答えが得られる」と指摘し、「我々がWTOのルールをつくった。それに従うべきだ」と強調、トランプ大統領が鉄鋼やアルミニウムを対象に制裁関税を課すなど、WTOのルールを逸脱する政策を展開していることを指して、米国単独主義や孤立主義、国家主義への傾斜を牽制した。

 

 そのうえで、マクロン氏は米仏には「壊れることのない絆がある」とも述べて、両国の友好関係もアピールした。また、、「多国間主義を作り出したのは米国であり、これを維持して再生させる役割を担うのも米国だ」と強調している。

http://www.bbc.com/japanese/43902965

https://www.cnn.co.jp/world/35118384.html