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企業、自治体、NGOらによる「気候変動イニシアティブ(JCI)」設立。米国の「We are still in」の日本版目指す。世界の温暖化対策で日本の存在感示す(RIEF)

2018-07-09 16:40:50

JCI1キャプチャ

 

    米国の企業・自治体・NGOらが、トランプ政権のパリ協定離脱にもかかわらず、パリ協定を堅持する「We are sill in」活動を展開していることをモデルに、日本版の「We are still in」ネットワークが立ち上がった。パナソニック、ソニー、イオンなどの企業と、東京都、横浜市など合計105社・団体が6日、設立宣言した「気候変動イニシアティブ(JCI)」だ。欧米に比べて立ち遅れている日本の温暖化対策を、企業や自治体などが連携して後押しすることを目指すという。

 

 国連環境計画金融イニシアティブ(UNEPFI)の末吉竹二郎特別顧問が代表呼びかけ人となり、CDPジャパン、WWFジャパン、自然エネルギー財団が事務局を務める。JCIは「企業、自治体など非国家アクターの一員として、パリ協定が求める脱炭素社会の実現に向け、世界と共に挑戦の最前線に立つことを約束する」と宣言、その趣旨に賛同する向きが名を連ねた。

 

 企業では、日立製作所、コニカミノルタ、積水ハウス、リコー、ソニー、住友林業、ソフトバンクグループ、花王、キリンホールディングスなど75社が参加。このうち金融機関は、MS&ADインシュアランスグループホールディングス、滋賀銀行、SOMPOホールディングス、但馬信用金庫、三井住友トラスト・ホールディングスの5社。3メガバンクや生保などは署名を見送った。

 

 自治体からは東京都、横浜市のほか、京都市、川崎市、北海道下川町、神奈川県箱根町など計15都市町、さらにNGO・シンクタンク等の計15団体が参加した。

 

  JCIの活動は、今年9月に、米サンフランシスコで開く、企業、自治体、NGOなどによる世界的なサミット「グローバルクライメートアクションサミット(GCAS)」に、代表メンバーを派遣するほか、10月12日には、東京で「日本気候変動アクションサミット」を開催する予定。こうした国際的な取り組みで存在感を発揮し、日本の多様な参加者の活動を活性化、世界に発信していきたい、としている。

 

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 本家の米「We are still in」は、トランプ政権に対抗して、米国の企業、州などの自治体、大学、NGOなど2500を超える企業や団体などが連携し、自主的な温暖化対策の強化を訴え、展開している。参加企業には、アマゾン、アップル、マイクロソフトなど米国を代表する大企業が加わっている。http://rief-jp.org/ct4/74274

 

 日本版のJCIは、安倍政権に対抗するわけではないようだ。だが、政府のエネルギー政策は、依然、原子力、石炭火力中心で、再生可能エネルギーのコスト削減も進まず、導入目標は低く、欧米諸国に大きく差をつけられているだけでなく、中国やアジア諸国にも遅れをとりそうになっている。既存の政策を転換できない「霞ヶ関」と「永田町」を揺り動かして、制度・政策の転換を求め、低炭素経済への移行を促進する環境づくりの整備を求めていくことになる。

 

https://www.renewable-ei.org/joint_initiatives/#JCI