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英リバプール市、ブロックチェーン技術を活用し、南米ペルーのアマゾン奥地の熱帯雨林保存からクレジットを生み出す。2020年末までに「カーボン・ポジティブ宣言」を目指す(RIEF)

2018-07-26 08:23:35

perubian

 

  ビートルズを輩出したことで有名な英国のリバプール市が、ブロックチェーン技術を使って2020年末には温室効果ガスの排出量をマイナスにする世界初の「カーボン・ポジティブ都市」を目指すと宣言した。CO2削減にはアマゾンでの熱帯雨林の保存に伴うクレジットを市民らが、提携先のアイスクリームショップで購入して支えることになる。

 

 リバプール市の「カーボン・ポジティブ」宣言に際して、NPO法人の「Poseidon Foundation」と共同でカーボンクレジットの創出を行う。Poseidonは、ペルーのアマゾン源流地域の熱帯雨林保全事業をブロックチェーン技術で統合し、1本1本の保全で創出したカーボン・クレジットを生み出す。

 

 創出したクレジットは、アイスクリームショップの「Ben&Jerry’s」の協力を得て、同社のお店を「ブロックチェーン電力・プラットフォーム」として、アイスクリームを購入に来たリバプール市民らに対して、クレジットの購入を薦める。

 

Oceanキャプチャ

 

 クレジットの購入は、3週間で1000本以上の自然林を伐採から守る分に達したという。ペルーでの森林クレジットに加えて、リバプール市内の地元企業のBAC Monoとの連携で、世界最初のカーボン・ポジティブカーの開発も進めている。同車が完成すると、地域の小中学校や、大学、地場企業等向けに、気候変動への理解を高める教育プログラムの開発に活用するという。

 

 こうした対策の組み合わせで、2030年までに市内全域の温室効果ガス排出量を40%削減する計画だ。目標とする削減量は、保全する森林に換算すると、1億3600万本に達する。これらを森林面積でみると、33万8000個分のサッカースタジアムに相当する。また、ペルーのアマゾン地域において、約3500人の雇用を作り出せるという。

 

 市長のJoe Anderson氏は「リバプール市を直接、気候ポジティブ計画に連携させるための、今回のポセイドンとの連携ができて大変、喜ばしい。ポセイドンのブロックチェーン技術は、気候変動が原因となる企業や政府、個々人への影響を、逆にプラスに変えるためのもの」と指摘している。

 

 Anderson市長は、9月にも、地元のビジネス界のほか、県市の自治体、社会的企業、NPOなど、ロンドンの関係方面と連携するために、「戦略的ビジネスサミット(仮称)」を開催するとしている。

https://liverpool.gov.uk/

https://poseidon.eco/carbon.html