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世界の陸氷の消失量をNASA衛星データで初調査(日刊温暖化新聞)

2012-03-06 14:57:18

氷河の氷も年々、縮んでいる
米国カリフォルニア州パサディナ市発-米国航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所の2月8日付けのリリースによると、コロラド大学ボルダー校が率いる研究チームが、NASAの衛星データを元に、世界の海面上昇を調べることで、地球で溶けている陸氷の量を計算した。研究チームは、NASAとドイツ航空宇宙センターの人工衛星GRACEの測定データから、特にグリーンランドと南極以外の氷河や氷冠に注目しながら、2003年から2010年の間の地球の陸氷すべての消失量を調べた。

氷河の氷も年々、縮んでいる




調査した期間に、グリーンランド、南極、地球の氷河と氷冠で溶けた氷の量は、合計約4兆3,000億トンで、世界の海面は12ミリ上昇した。グリーンランドと南極とその周辺の氷冠や氷河での氷の消失量は年間平均3,850億トンで、それ以外の氷河と氷冠の消失量は約1,480億トンと、全体の約4分の1を占めた。研究結果は2月8日号のオンライン版『ネイチャー』誌で発表された。

従来の測定方法では、比較的少ない量の氷冠と氷河を地上で測定することで、世界各地のモニタリングされていない氷河の様子を推測しており、10年以上の長期にわたり調査されたのは、世界全体で約20万ある氷河のうちわずか数百だった。

今回の研究で予想しない結果の一つは、ヒマラヤ山脈、パミール高原、天山山脈などのアジアの山岳地域での氷の消失量が、年間わずか約40億トンだったことである。過去の地上での推定では、これらの山岳地域では年間約500億トンもの氷が消失していると考えられていた。

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