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北海道・石狩市、再エネ電力100%の企業団地整備へ。独自の送電線、蓄電池も設置。ESG重視企業の誘致目指す。2020年度にも電力供給へ(各紙)

2018-09-05 14:50:30

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 各紙の報道によると、北海道石狩市は再生可能エネルギー由来の電力を100%使用する企業団地を2020 年度の開業を目指して整備する。団地で使用する電力は、市内の風力発電や太陽光発電、木質バイオマス発電から買い取り、団地内には独自の送電線や蓄電池の設置も検討するという。RE100署名企業をはじめ、企業活動で使用するエネルギーを全て再エネで賄う企業が増えており、データセンターやIT(情報技術)関連のESG先進企業の誘致を目指す。

 

 (写真は、石狩湾新港の背後に広がる企業団地)

 

 日本経済新聞が報じた。石狩市では、今年度中に計画を具体化するための「マスタープラン」を策定する予定。策定作業には地元の北海道電力や北海道ガスのほか本州の大手企業も協力する。「再エネ100%団地」を整備する対象地は石狩湾新港地域のうち、北電の石狩変電所(石狩市)が立地する周辺の60ha弱。現在は一部を除いて空き地となっている。

 団地内に供給する再エネ電力については、電力会社や発電事業者から出資を募り、新たに地域新電力会社を設立する計画だ。新会社は20年度にも事業を始める。石狩市も出資を検討するとしている。事業規模は今後マスタープランで定める施設整備計画にもよるが、数十~数百億円規模に及ぶとみられる。電気料金は国の規制料金と同等かそれ以下に抑える方針だ。

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 石狩湾には日本海からの風が年間を通して吹き、風車の中心部にあたる地上70mの高さでは平均風速が7m/秒を超えるとされ、風力発電には絶好の立地ですでに風力発電の立地も進んでいる。また石狩湾の沖では、洋上風力発電所の建設計画も進行している。

 企業活動で使用する電力等のエネルギーを、全て再エネで賄うことを目指す企業連合「RE100」への加盟企業は国内でもリコーや積水ハウス、丸井グループなどが相次いでいる。また企業のESG貢献を重視して出資先を決める「ESG投資」も広がっている。石狩市はそうした需要を取り込むことで、地球環境にも地域の環境と雇用にもプラスになる企業の誘致につながると見込んでいる。

 

 石狩市は、2011年に、さくらインターネットがデータセンターを市内に立地したことを成功例としてデータ拠点の誘致に努めてきた。だが、他の工業団地との競合等で、うまくいかなかった経緯がある。今回は再エネをテコにしたエネルギー基地として、独自のブランド力を発揮して、企業誘致の魅力を高めると同時に、同団地を新産業創出の拠点にする期待もあるようだ。

http://www.city.ishikari.hokkaido.jp/
 

http://www.ishikari-dev.co.jp/pdf/area_tenbyo2014.pdf