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アジア太平洋地域の1人当たりCO2排出量、ワースト1はシンガポール (WWF)

2012-03-11 16:58:55

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【3月9日 AFP】2010年にアジア太平洋地域で国民1人当たりの温室効果ガス排出量が最も多かったのは富裕国シンガポールだったことが、世界自然保護基金(WWF)が5日に発表した同地域におけるカーボンフットプリント(CFP)の報告で分かった。カーボンフットプリントとは、製品の原材料調達から廃棄・リサイクルまでの全過程で発生する温室効果ガスをCO2量に換算した指標。

 シンガポールの国民1人当たり国内総生産(GDP)は2010年、同地域でも最も高い部類に入る4万ドル(約320万円)を超えたが、これが途方もない消費習慣をあおっている。同年の化石燃料使用による二酸化炭素排出量は、公式統計で4万3454キロトンだった。

 WWFのヨランダ・カカバドス(Yolanda Kakabadse)理事長は、「(シンガポールという小さな)国の規模と比べて、大量の食品やエネルギーをシンガポールの全国民が消費している」と指摘し、「シンガポールは、こうあってはならない社会のひとつの見本」だと強く批判した。

 中でもCO2の大量排出産業としてWWFが指摘するのは、建築業だ。WWFのクリス・チャプリン(Chris Chaplin)氏によれば、シンガポールではカーボンフットプリントの15%を建築産業が占めている。

 こうした現状についてシンガポール国家環境庁は、国土面積がわずかなシンガポールは代替エネルギーに切り替えたくとも限界があり、化石燃料に頼らざるをえないと弁明している。

 だが、カカバドス理事長はシンガポールには高い省エネ技術があり、それを世界と分かち合って高いCO2排出量を埋め合わせるべきだと指摘。「シンガポールには、その高度な技術で貢献ができる余地が多大にある」と述べ、エネルギー、水管理、高効率の食料生産など、あらゆる分野での技術貢献が望めるとシンガポールへの期待を示した。

http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2863971/8616497