2017年度の温室効果ガス排出量、前年度比1.0%減で4年連続減少。京都議定書基準の1990年比では3.5%増で、10年間横ばい水準。環境省発表(RIEF)
2018-12-01 22:04:46
環境省は、2017年度の国内の温室効果ガス排出量(速報値)がCO2換算で、16年度比1.0%減の12億9400万㌧と、4年連続で減少したと発表した。太陽光発電など再生可能エネルギーの拡大と、原子力発電所の再稼働などが削減に寄与したと説明している。ただ、京都議定書の基準年だった1990年比では3.5%増で、この10年を平均すると横ばい水準ということになる。
2017年度の温室効果ガスの総排出量は、前年度比1.0%減、2013年度比8.2%減、2005年度比6.2%減だった。環境省によると、17年度の排出量増加要因としては、冷媒分野でのオゾン層破壊物質からの代替が進み、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)の排出量が増加した。一方で、減少要因としては、再エネと原発稼働等のエネルギー起源の分野でのCO2排出量が大きかったという。
部門別では家庭部門が前年比1.8%増加した。寒冬の影響で、灯油等を使った暖房機の使用が増えたことが響いた。世帯当たりのエ ネルギー消費量及び一人当たりのエネルギー消費量はともに増加(それぞれ 3.1%増、4.2%増)している。
工場などの産業部門は1.5%減となった。製造業のエネルギー消費量は増加したものの、CO2 排出原単位(エネルギー消費量当たりのCO2排出量)が減少したことで伸び率はマイナスとなった。 自動車などの運輸部門は0.9%減、オフィスなどの業務部門は2.7%減、製油所や発電所などのエネルギー転換部門は4.6%減だった。
政府は温暖化ガスの排出量を30年度までに13年度比で26%減らす長期目標を掲げている。17年度時点で8.2%減ったことになるが、目標を達成するには削減をいっそう進める必要がある。