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丸井グループ、CO2削減を営業利益で評価する「炭素利益率(ROC)」を経営指標として導入。低排出量で高営業利益の「サステナブル企業」を目指す(各紙)

2019-01-20 23:17:35

maruiキャプチャ

 

 各紙の報道によると、丸井グループは経営指標に炭素利益率(Return On Carbon : ROC)を取り入れる。営業利益を、事業活動で排出したCO2量で割って算出するもので、CO2排出量が少ないほど大きな数字になる。CO2排出量を抑えながら、営業利益をあげる「サステナブル企業」であることを、投資家に定量的に示すことができる。

 

 丸井は、顧客や地域社会等のステークホルダーとの「共創経営」を打ち出し、温暖化対策についても小売業で初めて再生可能エネルギー100%の導入を目標に掲げる国際イニシアティブ「RE100」に参加するなど、積極的な活動をしている。昨年はグリーンボンドも発行、環境金融研究機構(RIEF)の2018年サステナブルファイナンス大賞の優秀賞に選ばれている。

 

 今回、経営指標としてROCを導入するのは、積極的に取り組んでいるCO2削減策が、経営的にもプラスの効果をあげていることを、顧客や投資家等に示す狙いがあるとみられる。

 

丸井グループの「共創経営」のマトリクス
丸井グループの「共創経営」のマトリクス

 

 ROCは企業の収益力を表す「自己資本利益率(ROE)」の考えを踏まえたもので、少ないCO2排出でより多くの利益を上げられることを示す。低炭素経済社会への移行に際して、ROCの高い企業ほど、低炭素化での持続可能性と強靭性が評価される。

 

 特に、温暖化の進行とともに、今後、カーボン税や排出規制などのCO2排出規制を強化する政策措置がとられても、CO2排出量が少ないと、営業利益への影響が少なくて済む。

 

 丸井によると、2018年3月期の事業活動によるCO2排出量は約52万5000㌧、これに対して営業利益は352億円だった。排出量1万㌧当たりの営業利益は約6億7000万円となる。一方、通常、営業利益(100万円単位)をCO2換算量(1000㌧単位)ではじく。これでみると、丸井のROCは67.0となる。

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  丸井はこの数値を、2021年3月期までの3年で現状より5割引き上げることを目指すとしている。排出量1万㌧当たり営業利益を約10億円に、ROC比率は100台乗せが目標となる。

 

 丸井はCO2排出量削減のために、すでに再生可能エネルギー電力の導入を進めている。今後さらに事業で使う電力を太陽光や風力などの再エネ電力への切り替えを進める。またカーボンオフセット、販売製品のカーボンンフットプリント表示なども実施、今後は衣料品のレンタルなどのように、排出量の少ない物販以外の事業も伸ばす計画という。

http://www.0101maruigroup.co.jp/