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CDPの2018年気候変動対策調査、最高スコアのAリスト入り日本企業は前年より7社増えて20社。水資源対策では7社。両方で「Aリスト入り」は三菱電機と、アサヒグループ(RIEF)

2019-01-23 12:25:32

CDP1キャプチャ

 

  英NGOのCDPは22日、世界の大企業の環境への取り組みを調査した2018年版の結果を発表した。対象となった日本企業は598社。このうち、気候変動対策の評価で最高スコアのAを獲得し「Aリスト」入りした日本企業は、三菱電機、ソニー、富士通、コマツ、住友化学など20 社で、前年より7社増えた。

 

 (はCDPの調査対象企業数の推移)

 

 全世界の対象企業は7018社。このうち、気候変動対策でAリスト入りした企業は126社。20社の日本勢は全体の15%を占めたことになる。また、水資源安全性の分野でのA評価は、世界で27社が選ばれ、このうち日本勢はサントリー、トヨタなど7社と25%を占めた。森林対策では全世界で7社だけ。日本勢は不二製油グループが選ばれた。

 

 全世界の対象企業数は、前年より11%増えた。対象となった7000社の時価総額は、世界の資本市場全体の50%以上を超えている。CDPはこれらの企業に、気候変動、水資源、森林保全の3分野についての取り組みを問う質問状を送り、回答を評価、公表している。世界の機関投資家にとって、ESG投資を実施するうえでの有力な開示情報になっている。

 

CDP2キャプチャ

 

 気候変動対策でAリスト入りした日本企業は、上記の三菱電機、ソニー、富士通、コマツ、住友化学に加え、アサヒグループホールディングス、ベネッセホールディングス、大和ハウス工業、川崎汽船、丸井グループ、MS&ADインシュアランスグループホールディングス、ナブテスコ、日本郵船、小野薬品工業、積水化学工業、積水ハウス、SOMPOホールディングス、住友林業、戸田建設、豊田自動織機となっている。

 

 水資源対策では、アサヒグループホールディングス、花王、キリンホールディングス、LIXILグループホールディングス、三菱電機、サントリー、トヨタ自動車の7社がA評価を得た。このうち、アサヒグループホールディングスと、三菱電機は、温暖化対策と水資源対策の両分野でAリスト入りした。

 

 CDPの評価はESGの環境分野の主要項目についての各企業の取り組み状況をわかり易く評価するものだが、質問状に対する企業側の答えを第三者検証するシステムは備えていない。このため、投資家は、これらの情報を踏まえて、同業他社との比較検証をするとともに、投資先企業へのエンゲージメント活動などを通じて、情報の確認精査を行う必要がある。

https://www.cdp.net/en/scores