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EU欧州議会と閣僚理事会、トラック・バスなど大型車CO2排出規制で合意。2030年までに現状比平均30%削減。2020~30年でスウェーデンの年排出量と同量を削減(RIEF)

2019-02-20 22:12:06

EUtruckキャプチャ

 

  EUの欧州議会と閣僚理事会は、トラックとバスなど大型車(新車)のCO2排出量を2030年までに現状比(2019年)平均30%削減する規制案の導入で暫定合意した。トラック等大型車に対するCO2削減のEU基準導入は初めて。

 

  両者は昨年末、乗用車のCO2排出規制を2030年までに37.5%削減(対21年目標)に、バン(小型商用車)は31%削減とすることで合意した。今回のトラック・バス規制はこの乗用車・バン排出規制強化を受けて、自動車の規制範囲を拡大する形とした。http://rief-jp.org/ct8/85650

 

 EUは地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」に基づき、温暖化ガスを30年までに90年比で少なくとも40%削減すると約束しており、今回の自動車関連の排出規制はその一環。25年までに19年比で平均15%削減する中間目標も設定した。自動車メーカーは規制に対応しない場合、制裁金を科される。

 

 欧州委員会は、今回の規制導入で、2020年から30年の間に、EU域内で、スウェーデンの年間CO2排出量に匹敵する5400万㌧のCO2を削減できる見通し。また、規制の導入で2025年には2万5000人の新雇用を生み出し、GDP増加に貢献すると試算している。

 

 欧州委員会の気候行動・エネルギー担当委員のMiguel Arias Cañete氏は「トラック規制の合意で、EUのCO2排出量を40%削減する目標達成の法的フレームワークができる。新規制はEU産業がゼロエミッション輸送に向けたイノベーションを高めることにつながり、クリーンカー市場でのEUのリーダーシップをさらに強化できる」と意義を強調している。

 

 今回の暫定合意を受けて、欧州議会と閣僚理事会はEU規制(Regulation)の設定を公式に進める。欧州議会は5月に改選するので、それまでに正式に規制が成立する見通しだ。

 

 ただ、トラック・バス等を製造する欧州自動車工業会(ACEA)は今回の暫定合意を受け、今後、電気トラックや水素トラックなどCO2削減につながる技術開発の加速が必要となるが、「現状はそうしたインフラ設備がほとんど整備されていない」と懸念を示している。今後、EU加盟各国が大型車両向けのクリーンエネルギー供給インフラをどれだけ整備できるかが課題となる。

https://ec.europa.eu/clima/news/clean-mobility-putting-end-polluting-trucks-commission-welcomes-first-ever-eu-standards-reduce_en

https://ec.europa.eu/clima/policies/transport/vehicles/heavy_en