「気候変動のための登校拒否」で温暖化阻止訴えるスウェーデンの少女、グレタ。 欧州委員長と面談、パリではデモに参加。3月15日に「世界の子どもストライキ」を呼び掛ける(RIEF)
2019-02-23 19:17:22
グレタのパワーが止まらない。昨年夏以来、「気候変動のための登校拒否」を実践しているスウェーデンの16歳の少女、グレタ・ツゥーンベリさんが、先週21日は、ベルギーでEUの政治リーダーたちに会い、「EUの温室効果ガス削減目標は低過ぎる。目標を倍にすべき」と突き付けた。翌日はパリに現れ、デモに参加、来月15日に世界各地で「子どものストライキ」を呼び掛けた。
21日、グレタはベルギーとドイツの子どもたちの「登校拒否」活動に参加した後、EU委員会に招待され、ユンケル委員長らを前にして一席ぶった。http://rief-jp.org/ct8/87084
「若者が成長した時に、彼らに世界を救うよう期待するのでは不十分。今、行動すべきだ」。EUはパリ協定を掲げ、2030年までに温室効果ガス40%削減(90年比)を「野心的な目標」として掲げているが、グレタは「2020年までに温室効果ガスが削減に向かうよう、削減目標を現状の倍にすべき」とサラリと言ってのけた。
「EUの目標は、子どもたちの将来を守るには不十分と言わざるを得ない。もしEUがパリ協定の2℃目標以内にカーボンバジェット(温室効果ガスの収支)をとどめようと貢献するつもりなら、2030年までに現状の倍の少なくとも80%削減が必要。航空機や海運も含めての話だ」
彼女の辛辣な大人批判は続く。「気候変動のための登校拒否」が世界の子どもたちに広がっていることに対して各国の政治リーダーたちが、「子どもは学校に行って勉強するもの」「登校拒否は学ぶべき時間を無駄にしてしまう」などと批判していることにも正面から反発。
「そんなことを言うなら、政治家たちがこれまで何十年にわたって、温暖化を否定したり不行動を重ねて、多くの時間を無駄にしてきたことにこそ、思いを向けるべきだ」
グレタの「直球」に対して、ユンケル委員長の発言は、欧州の環境の多様性を指摘したり、水洗トイレの水を省力化する提案への批判を語ったりと、焦点の定まらない『残念な発言』に終始した。グレタは、委員長との会談終了後に記者たちに、委員長が気候危機についてあまり語らず、登校拒否運動への懸念ばかり反応したことに「悲しい」と述べた。
翌22日は、グレタはフランスのパリにいた。パリで開かれたデモに参加、およそ1000人の若者たちとともに、温暖化対策の推進を求める声を上げた。来月15日には、フランスやアメリカ、日本などの世界各地で「子どもの連帯デモ」を行う予定という。
グレタは、来月の地球規模のデモを、これまで温暖化対策に取り組んでこなかった政治家や大人たちへの抗議活動と位置づけている。「地球温暖化対策を呼びかけるストライキに、たくさんの子どもたちに参加してほしい」と呼びかけている。
https://www.climatechangenews.com/2019/02/22/climate-weekly-europes-struggle-walk-talk/