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「気候対策のための登校拒否」を、世界中の子どもたちに呼びかけるスウェーデンのグレタ・ツゥーンベリさん。「3月15日」の世界一斉行動を振り返ったメッセージ(RIEF)

2019-03-25 18:11:13

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  2019年3月15日の金曜日。150万人を十分に超える学生たちが、地球上の125カ国の2083カ所において、気候変動を理由とした登校拒否(School Strike)を実施した。私の居るスウェーデン(そして他のすべての場所)では、その結果として好ましい議論が出始めている。

 

 まず、大人たちはこう言っている。(子どもたちの)やっていることは大したことではない。なぜなら、彼らは未来を作り出すにはまだ幼過ぎるのだから。

 

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 金曜日の抗議行動は、環境NOGの350.org.によると、グローバルな気候行動としてはこれまでにない最大の日だったという。きっかけは、スウェーデンやベルギー、スイスなどの小さな国々の、少数の子どもたちが、気候危機に対して何も為されないのならば、学校に行かない、と決意したから起きた。http://rief-jp.org/ct7/88077?ctid=70

 

 私たちは、大人たちがやっていることのほうが問題で、そして私たちを含む誰もが、未来を作り出すには幼過ぎるわけではないことを、金曜日の行動で証明してみせた。

 

 人々は私に、「気候危機の解決策は何なの?」と聞き続け、「どうやってこの問題を解くの?」と問いかける。彼らは私が答えを知っていると期待しているようだ。でも今の仕組みの中では解決法がないので、そうした問いかけをすること自体、全く無意味なことなのだ。だれもが、何をすべきかよくわかっていない。その点が最大の課題だ。単に特定の税金を上げたり下げたり、いくつかのグリーンファンドに投資したり、以前のようにやっているだけでては、解決法は見いだせない。

 

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 確かに、多くの、大変多くの、非常に効果的で、必要で、かつ状況を改善できる手段はある。太陽光発電や風力発電、サーキュラーエコノミー、菜食主義、持続可能な農業等々だ。しかし、そうしたものも、より大きな未来図の一部分でしかない。

 

 私たちは、もはや、電気自動車や、原子力発電所、食料、航空機、バイオ燃料といった個々の、個別の課題に集中するだけでは、事態を打開できない。私たちは、サステナビリティ・クライシス全体と、進行する生態系破壊を解決するための全体的な視点を緊急に必要としている。この点こそが、私が、私たち全体が危機を危機そのものとして受け止め、取り組む必要があると言い続けている点だ。

 

 そうしたり組みを始めて、 そしてそのための最良の利用可能な科学に導かれて(それらは、まさにパリ協定文の隅々に明確に盛り込まれている)、私たちは一緒に、世界を前進させることに踏み出せるのだ。

 

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 しかし、私たちが原発議論のように、延々と議論を続けるばかりで答えを出さない方法を続けることを許している限りは、そうしたスタートは決してやって来ない。そうした態度でいることは、私たちの時間を無駄にするだけだ。こうした姿勢は「気候対策遅延主義」と呼んだほうがいい。私たちは、同じ決意を共有して、今までにないスピードで前進する必要がある。

 

 原子力発電は、IPCCによると、大きな新しいカーボンフリーなエネルギーソリューションの小さい部分を占めるにすぎない。それらは、非常に危険で、高価で、手間のかかるものでもあり、その利用は、フルスケールの再生可能エネルギー供給を欠く国や地域に限っての議論でしかない。しかし、そうした議論も、私たちが全体の未来図を見れるまで先送りすべきだ。

 

 ある人々は、毎日の生活を快適に、豪華に過ごし続けたくてたまらないようにみえる。そして彼らは、自らの子どもを持たないこともそうした理由の一つとしている。私は、一人の子どもとして、妹や弟にも語りかける立場から、そうした言い方をする人たちのことは非常に残念だと思う。ただ、そうした場合でも、気候危機を作り出したのは私たちや、未来の世代ではないのは明確だ。にもかかわらず、そうした大人たちは、私たち子どもの行動を非難する。

 

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 もし、科学者や政治家、メディア、さらに国連等が、気候危機を解決するために何を為さねばならないか(他の言い方をすると、今日からCO2排出量をドラマティックに引き下げること)を、ちゃんと言わないと、私たちは、子どもたちは、どうやってその危機を知ることができるのだろうか。どうやってわたしたちに重荷を背負わせるのだろうか。

 

 大人のあなた方が、自分の宿題をやり終えれば、私たちには新しい政治が必要だということを理解するだろう。新しい経済学が必要ということも理解するだろう。新しい経済学とは、すべてのものがカーボンバジェットを急速に削減し、限定することを踏まえたものとなる。

 

 ただ、それだけでも不十分だ。私たちの考え方自体を、すべて新しくする必要がある。大人のみなさんが作り上げた政治システムは、すべて競争を前提としている。そのシステムでは、勝つためにはウソもつくということだ。権力を得ることが最優先されている。

 

 しかしこうしたシステムはもはや終わらねばならない。お互いの競争を終えねばならない。私たちは、この地球の残された資源を公平な方法でシェアし、協力することを始めねばならないからだ。私たちはこの惑星が許容する境界の中での生活を始めるとともに公平性を重視し、(人類だけではなく)すべての生き物のために、数歩、譲歩しなければならない。

 

 Gretaキャプチャ

 

 私たちは、科学の言葉を伝えていかねばならない。そうした言葉を聞き始めることが、私たちのあなたたち大人への望みだ。それができたら、次は、行動を始めよう。

 

 お願いだから、子どもたちに、あなた方、大人が引き起こした混乱の答えを聞くのを止めてもらいたい。

 

http://rief-jp.org/ct8/87084

https://www.facebook.com/732846497083173/posts/793441724356983?sfns=mo

http://rief-jp.org/ct7/88077?ctid=70