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2018年の再エネ発電の新規導入量、7.9%増の171GWに。世界の発電量の3分の1を再エネで占める。国際再生エネルギー機関(IRENA)が報告(RIEF)

2019-04-05 15:25:43

IRENA11キャプチャ

 

 国際再生可能エネルギー機関(IRENA)によると、2018年に世界で導入された新規の再エネ電力量は前年比7.9%増の171GWと順調な伸びを続けている。もっとも伸び率が高かったのはオセアニア諸国の17.7%増、ついでアジアの11.4%増で、アジア太平洋地域がもっとも再エネ成長率の高い地域だった。2018年末の世界全体の再エネ発電量は2351GWで、全発電量のほぼ3分の1を占める。

 

 171GWの新規増加分のうち61%は経済成長の著しいアジア地域で設置された。全体の3分の2は途上国や新興国での導入だった。アフリカも8.4%増で伸び率では第3位につけた。再エネ市場が先進国から新興国・途上国にシフトしていることが裏付けられた。

 

 ただ、再エネ発電と旧来型の化石燃料型発電を比べると、欧米やオセアニアでは、2010年以来、従来型の発電量は合計で85GW減少したのに対して、アジアと中東を合計すると、逆に従来型発電も増加している。2010年以降でみると、従来型発電は平均115GWで推移しており、全体として増加も減少もしていないことになる。

再エネ発電と従来型発電の推移
再エネ発電と従来型発電の推移

 

 再エネ発電を個別に見ると、太陽光発電は前年比24%増の94GWの増加となった。このうち64GWはアジア地域だった。中国、インド、日本、韓国が中心。米国は8.4GWの増加、オーストラリア3.8GW増などとなっている。風力発電は、全体で49GW増加した。中国と米国が前年に続いてもっとも導入量が多かった。中国は20GW、米国は7GW。1GW以上の導入があったのは、ブラジル、フランス、ドイツ、インド、英国となっている。

 

 バイオ発電では、中国が2GW、ついでインドが700MW、英国が900MWの増加。地熱発電は全体で539MWの増加。トルコ(219MW)が最も多く、ついでインドネシア(137MW)、米国、メキシコ、ニュージーランドなどが続く。水力発電は中国が8.5GWの増加を示したほかは、あまり伸びていない。

 

 累積では水力発電は再エネ全体のほぼ半分を占める1172GWの発電量を保有する。風力発電は564GW、太陽光発電が480GW、バイオ発電121GW、地熱13GW、海洋関連発電(潮流、波力等)500MWなどとなっている。ただ、太陽光発電の導入量は着実に増えており、風力発電に肉薄している。

 

 民間の推計では、太陽光発電の今年の導入量は100GWに達するとの見方もある。コスト低下が続いていることが大きい。このままだと、今年中に風力発電の導入量を抜き、2020年代には年間115GW~120GW台の新規導入が期待されるという。

https://www.irena.org/publications/2019/Mar/Capacity-Statistics-2019