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EUのエネルギー効率改善計画は不十分=環境団体が指摘 (Reuters)

2012-04-04 12:35:14

EU議長国デンマークのトーニングシュミット首相(2012年1月18日、フランス・ストラスブール)
【ブリュッセル2日ロイター時事】企業や環境保護団体などをまとめた組織「エネルギー節約同盟(CES)」は2日、欧州連合(EU)議長国であるデンマークが最近、EUのエネルギー効率の改善方法について行った提案の内容が、これまでの実績とEUの2020年までの目標との差を埋めるには不十分だと指摘した。

 EU加盟国の代表は新たな指令について検討する手続きの一環として、3日に会合を開き、デンマークの提案について話し合う予定だ。

 ロイター通信が入手したデンマーク提案のコピーでは、国単位の目標が削除されているほか、公共施設の改築の必要性が低くなっている。

 CESはこの提案では、現在までのエネルギー効率改善実績である10%とEUが20年までの目標として掲げている20%との差は3分の1しか埋まらないと指摘した。EUは現在、実績と目標との差が10ポイント開いていることを認めている。

 CESのステファン・ショイアー事務局長は「エネルギー目標の達成という観点からすると、責任感が不足している」としてEUの閣僚らを批判した。同事局長は「爆発的なエネルギーコスト、高失業率、それに緩慢な景気回復のため、エネルギー輸出への支出よりも、域内のエネルギー効率向上のための早急な投資が重要になっている」と述べた。その上で、「加盟国は行動回避にあまり力を入れるべきではない」と指摘した。

 EU議長国の広報担当者は「今のところ」ノーコメントだとしている。

 エネルギー効率の20%改善は、EUが2020年までの達成を目指す三つの目標の一つで、EUが唯一達成の可能性が低いと考えている目標だ。

 実績と目標の差を埋めようと、6月まで議長国を務めるデンマークは優先事項として、エネルギー効率化指令で合意することを挙げた。デンマークはこの指令が建築物の改築でグリーン雇用を創出する手段になるとしているほか、消費者支出の削減や、高価な輸入エネルギーへの依存脱却の手段にもなるとしている。

http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2012040300408

EU議長国デンマークのトーニングシュミット首相(2012年1月18日、フランス・ストラスブール)