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南アフリカ共和国、初のカーボン税6月1日に導入。1㌧当たりCO2が120ランド(約8㌦)3度目の正直で法制化。インフレ調整措置付き(RIEF)

2019-05-30 08:32:59

Southafricaキャプチャ

 

 南アフリカ共和国は、6月1日から、アフリカで初めてとなるカーボン税を導入する。パリ協定で約束した国別温暖化ガス削減対策の実効性を確保することが目的。当初の税率はCO2が1㌧当たり120ランド(約8㌦)。ただ政府は、税控除特典等を考慮すると、実質負担は6~48ランド(0.40~3米㌦)に下がると説明している。

 

 (写真は、南アのシリル・ラマポーザ大統領)


南アはパリ協定に沿って、2030年までにCO2排出量を半減させることを公約している。CO2排出量も3億9800万㌧~6億1400万㌧の間でピークアウトするとみられている。カーボン税の納税対象は化石燃料の消費や、産業プロセス、漏洩分等を含む。

 

 対象となる企業等のCO2排出源は、自ら年間の排出量を計測・記録することが求められ、自らのカーボン税負債(Carbon Tax liability)を把握する必要がある。

 

 税率は消費者インフレ率(CPI)に連動して、毎年増額される。年間増税率は2%で、2022年末まで2%ずつアップする仕組みだ。2022年以降は、2%の定率税率増は停止され、インフレ調整のみとなる。

 

  同国でのカーボン税は2010年以来、導入論議が続いてきた。しかし、国内の鉱業、鉄鋼生産、公的電力会社のEskomなどの産業界の反対意見が強く、これまでに少なくとも3回は延期されてきた。

 

 南ア政府は、カーボン税による企業財務や同国の経済的な競争力に影響は及ぼさないと、評価している。減免税の特典は、2022年までは最高95%までをカバーできるようにし、追加課税による経済的影響を最小化するスタンスをとっている。

 

 財務省は「気候変動は、人類が直面する最大の挑戦の一つである。カーボン税の基本的な目的は、温室効果ガス排出量を持続可能で、費用対効果を考慮し、適切な対応で、低減することにある」と説明している。

 

 南ア経済は、石炭への依存度が特に高く、1950年以来のCO2排出量は7倍増と膨らんでいる。2017年のCO2排出量は国全体の約550Mt以上で、そのうち大半の400Mtが円ルギー産業からの排出量となっている。南ア自身のGHG排出量はグローバル排出量の1.1%を占める。

https://www.gov.za/welcome-official-south-african-government-online-site

https://www.carbonbrief.org/the-carbon-brief-profile-south-africa