HOME8.温暖化・気候変動 |注目集める「LFGTE」、埋め立て地で発生するガスをエネルギーに(AFP) |

注目集める「LFGTE」、埋め立て地で発生するガスをエネルギーに(AFP)

2012-04-10 00:18:10

【4月9日 RenewableEnergyWorld.com】再生可能エネルギーの世界で脚光を浴びる風力や太陽光発電と比べれば、埋め立て地から発生するメタンガスをエネルギー源として利用する「埋め立て地ガス利用エネルギー(Landfill Gas to EnergyLFGTE)」はあまり知られていない。しかしLFGTEは長期的な温室効果ガス排出削減の有力な選択肢として認識されつつある。
技術は十分に成熟している。埋め立て地で発生するガスを利用するためのプラントは現在、米国の約2400か所の埋め立て地のうち500か所以上で稼動しており、さらに500か所で建設が進んでいる。
「埋め立てガスの商業利用は1975年から行われている」と、米イリノイ大学(University of Illinois)のジーン・ボグナー(Jean Bogner)氏(地球化学)は指摘する。「バイオマス・エネルギーと比較して各自治体の固形廃棄物が持つ利点は、すでに(エネルギー源となる廃棄物の)収集システムが構築されているということだ」
米アリゾナ州立大学(Arizona State University)のミハイル・チェスター(Mikhail Chester)氏(土木工学)も、「廃棄物は有価物と認識されるようになっている。再利用もできるし、有機物を回収することも可能だからだ」と話した。
米国の大気浄化法(Clean Air ActCAA)は、有害ガスの蓄積を防ぐため、発生したガスの回収か定期的な燃焼処分の実施を埋め立て地の所有者に義務付けている。
埋め立てガスは発生場所が安定しないという問題があるが、それ以上にメタンガスの温暖化効果は二酸化炭素の23倍もあるという大きな問題がある。このため産業用ボイラや火力発電の燃料として活用することは理にかなっている。
LFGTE設備の建設コストは1000キロワット当たり平均120万~180万ドル(約9800万~1億5000万円)程度で、一般的な都市プロジェクトならば500万~1000万ドル(約4億~8億1000万円)になる。効率よく操業するには最低50万トンの廃棄物が必要だ。(c)RenewableEnergyWorld.com/AFPBB News

http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2870346/8764471