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迅速な気候変動対策を求めるグレタさん、国連気候サミット参加のため、高速ヨットで大西洋横断へ。ドイツの不動産業者が提供。広がる支援の輪(RIEF)

2019-07-30 13:39:15

greta44キャプチャ

 

 迅速な気候変動対策の実施を求めて活動しているスウェーデンのグレタ・ツゥーンベリーさんは、9月にニューヨークで開く国連気候サミットに出席するため、高速のレース用ヨットで大西洋を横断することがわかった。グレタさんは国連サミットに出席した後、学校をサバティカル休暇をとって、12月にチリで開く国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)にも参加するという。

 

 グレタさんは気候変動対策を各国に求める「登校拒否(School Strike)」を一人で始め、現在は世界中の子ども・若者たちの共感を得ている。グレタさんはCO2排出量の多い飛行機を利用せず、欧州域内での活動でも鉄道利用に限っている。しかし、国連気候サミットに参加するため米国に入るには、陸路は不可能。これまでクルーズ船などの利用の可能性が想定されていた。

 

 しかし、クルーズ船もCO2排出量が多い。思案に暮れていたところ、ドイツの不動産経営者で、モナコヨットクラブに所属するGerhard Senftさんが、自分の全長18m(60ft)の競技用ヨットの「Malizia Ⅱ」の提供を申し出てくれた。同ヨットは世界一周用に建設された頑健で高速性能を誇る。

 

 greta46キャプチャ

 

 さらに、甲板には太陽光パネルを備え付け、その電力でタービンを駆動するほか、通常は風力を受けて走るので、CO2排出量ゼロ。「地球に自らの行動で負荷をかけたくない」とのグレタさんの懸念を払拭する大西洋横断手段となる。ヨットには、船長のBoris Hermannさんと、その父親の Svanteさん、それにモナコの故レーニエⅢ世と故グレース・ケリー王妃の孫にあたるPierre Casiraghiさんも同乗するという。

 

 グレタさんは8月の中旬にも、ヨットで大西洋を渡る。その後、9月23日にニューヨークで開催する国連気候サミットに参加した後、スウェーデンの学校はサバティカル休暇をとって、カナダ、メキシコ、その他の国々を、鉄道とバスを乗り継いで回る。さらに、12月にチリで開くCOP25にも出席する壮大な計画を立てている。

 

登校拒否の座り込みを続けるグレタさん㊧
登校拒否の座り込みを続けるグレタさん㊧

 

 グレタさんはメディアから、長期にわたる米大陸訪問の際に、トランプ大統領と会うことはないのか、と問われた。彼女は「米国大統領との会合は、時間の無駄になると思う。私から彼に言うことは何もない。彼は明らかに科学や科学者の言うことを聞かない人だ。だから、私のような子どもが彼を納得させられるとは思えない」と述べている。

 

 おそらく、グレタさんが米国に上陸すると、トランプ大統領はツィッターで攻撃するかもしれない。グレタさんは、構わず、米国の普通の人々との語り合いを優先することになりそうだ。

https://www.theguardian.com/environment/2019/jul/29/greta-thunberg-to-sail-across-atlantic-for-un-climate-summits