エチオピアで、世界記録の植樹活動、半日で3億5300万本の苗木を全土に植樹。アハメド首相率先の森林回復政策の実践(RIEF)
2019-07-30 15:04:03
アフリカのエチオピアで29日、同国全土で、国民参加による大規模な植樹キャンペーンが展開された。12時間で植えられた苗木は3億5300万本以上。エチオピア当局者は一度に実施した植樹の世界記録を達成したと宣言している。
(写真は、自ら植樹をするエチオピアのアハメド首相)
植樹運動は、エチオピアのアビー・アハメド首相が主導する森林再生キャンペーン「グリーン・レガシー」イニシアティブの一環として行われた、同イニシアティブでは5月~10月の雨季期間中に、総数140億本を植樹する壮大な計画としており、29日の植樹はその一部。
エチオピアは一世紀前には国土の35%が森林で覆われていた。しかし、その後の過剰な伐採や開発等で土地の劣化が進み、2000年代平均では森林率は4%にまで低下している。森林の減少は、温暖化の進行による洪水・干ばつ等の激化にもつながっている。国民の80%は農業で生計を立てており、森林の復活は生態系全体の回復につながる。
このため、アハメド首相は国家戦略としての植樹活動を打ち出した。29日の植樹計画は、当初2億万本を目標としていた。だが全土で数百万人が参加した結果、最終的に3億5363万3660本の苗木が植えられたという。
これまでの一度に行われた植樹活動での本数は、2017年にインドがボランティア約150万人を動員して12時間で植えた6600万本が最高とされるから、それを5倍以上上回ったことになる。
アフリカでは2017年に森林再生プロジェクトの一環として、エチオピアをはじめとするアフリカの20カ国以上が参加して、1億haの荒地を元も緑豊かな森林に再生する目標を打ち出している。今回の活動はその一環でもある。